1.a)黒ボク土とマサ土にリンを、各々5段階に添加して、b)供給窒素源としてアンモニア態、硝酸態、アミド態、および蛋白態窒素を添加して、グルコースと他の養分を供給した後、25℃で土壌を培養した。経時的にバイオマス炭素、リンなどを測定して、バイオマス炭素、リンの形成と土壌中の可給態リン濃度や供給窒素源との関連を検討した結果、a)バイオマス炭素とリンはともに、土壌中の可給態リン濃度の上昇に伴って、黒ボク土では29、マサ土では76mgP/Kg乾土まで著しく増加すること、またバイオマスのC/P比が、マサ土(6-15)に比べて黒ボク土では16-38と高いことb)バイオマスリンの形成は供給窒素源によって大きく異なり、無機態Nに比べて蛋白態Nで著しく高く、バイオマスには蛋白態Nの方が利用され易いことなどを明らかにした。(日本土壌肥料学会1996予定) 2.a)黒ボク土とマサ土にリンを添加して土壌によるリンの固定が進行した後、b)黒ボク土とマサ土にリン酸鉄、リン鉱石を添加した後、有機物添加、無機加区を設けてイタリアンライグラスを栽培した。経時的にバイオマスリンや植物のリン吸収量などを測定して、バイオマスによる難溶性リンの利用率の向上を検討した結果、両土壌への有機物の添加はバイオマス炭素量に増加させるが、リン酸鉄やリン鉱石中のリンはバイオマスリンにほとんど変換できない。それに対して、短期間に難溶化したリンの大部分をバイオマスリンに変換させうることを明らかにした。(日本土壌肥料学会1996予定)
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