研究概要 |
1.蛍光性Pseudomonasならびに青枯病細菌を検出するためのプローブ配列をデータベースならびに文献の検索を行い選定した。選定した配列の検出用プローブとしての妥当性を、純粋培養菌体へのリボソーム染色および菌体抽出DNAへのPCRにより検討した。 2.上記のプローブを用いて、顕微鏡用落射蛍光装置(7年度に購入)による液体系からの蛍光性Pseudomonasの検出条件について検討した。その際、土壌環境のような貧栄養環境条件下に置かれた細菌を対象とする場合も想定し、栄養培地で培養した菌体を基質を含まない無機塩緩衝液中に移して保持した菌体も染色対象とした。その結果、無機塩緩衝液にて8週間保持された菌体も染色され検出可能であったが、染色強度は保持時間の経過に伴い衰退した。 3.染色および検出に対する土壌粒子の阻害の程度を調べるため、無機塩緩衝液に保持した菌体懸濁液に土壌粒子を加え、リボソーム染色を行った。その結果、無機塩培地に移した直後の菌体は染色強度が強く形態も大型のため検出可能であった。しかし、無機塩培地に保持後3日目の菌体は、染色強度が低下しており、土壌粒子からの蛍光と区別することが困難であった。 4.リボソーム染色による植物(トマト幼植物)根面からの蛍光性Pseudomonasの検出条件を検討した。その結果、液体系における染色条件(2,3)では、選択的な染色が不可能であった。試料の前処理、染色条件について検討した結果、高温、長時間の染色を行うことにより選択的な検出が可能であった。また、細根では検出できるが、太い根では不可能であった。
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