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1995 年度 実績報告書

細菌胞子における発芽の生化学並びに分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07660105
研究種目

一般研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

牧野 志雄  名古屋大学, 農学部, 教授 (80000842)

キーワード細菌胞子 / 発芽 / コルテックス分解酵素
研究概要

細菌胞子発芽機構の解明に向けて、発芽の主要な生化学的事象である発芽時に活性化する細菌胞子ペプチドグリカン(胞子コルテックス)分解酵素を標的としてC.perfringens及びB.cereus胞子より酵素の精製を行い、性質を明らかにし、かつ遺伝子のクローニングを行った。両菌種より得られた主要なコルテックス分解酵素はアミダーゼであり、胞子形態を認識して胞子コルテックスを分解するが破壊したコルテックスや栄養細胞のペプチドグリカンには作用しない基質特異性を有していた。この様な酵素化学的性質における類似性とは異なり、DNA配列から推定された一次構造に両酵素間で相同性はなく、それらに対する抗体も相互に認識しないなど蛋白質化学的性質は異なっていた。C.perfringens由来のアミダーゼは、プレプロ領域を持つ前駆体として合成され、プロ体として休眠胞子の胞子殻とコルテックス層との間隙に存在することが示唆された。さらにプロ体のN-末端およびC-末端共にプロセシングされて活性化される酵素であることが判明し、現在、そのC-末端側の切断部位の同定とプロセシング酵素の検索を行っている。一方、B.cereus由来のアミダーゼは典型的なシグナル配列を持つ分泌型酵素として生合成され、休眠胞子内では未知の機構により不活性化された成熟型酵素として存在していた。この様に発芽始動酵素の活性化は菌種により著しく異なることが示唆された。これら酵素は水銀剤により不活性化される酵素であったが、B.cereusアミダーゼの水銀剤感受性の残基はC-末端から2番目にシステインであることを同定した。現在、これらの酵素の活性化に先立つ発芽のトリガー反応に関与する蛋白質の検索を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sigeru Miyata: "Purification and partial characterization of a spore cortex-lytic enzyme of C.perfringens S40 spores." Biosci.Biotech.Biochem.59. 514-515 (1995)

  • [文献書誌] Sigeru Miyata: "A gene(sleC) encoding a spore-cortex-lytic enzyme from C.perfringens S40 spores;cloning,sequence and molecular characteriation" Microbiology. 141. 2643-2650 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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