研究概要 |
ハロ酢酸分解プラスミドpUOl上に見出した新規脱ハロゲン能トランスポソンTn dehH2(8.9kb)は、脱ハロゲン酵素遺伝子dehH2を2つの挿入配列IS 1071(3.2kb)が挟んだ形をしている。transposase遺伝子と思われるORFはIS 1071中に存在しているが、resolvase遺伝子らしきものは認められない。本研究ではこのトランスポソンの転移能を調べた。 1.プラスミドpUOlを保持するE.coliC600およびMoraxella sp.Bを継代培養し、染色体DNAへのTn dehH2の転移の有無をサザンハイブリダイゼーションにより調べたが、転移の痕跡は認められなかった。 2.2つのプラスミドpUOlとRP4を同居させたE.coliC600を、数回培養を繰り返した後、Rif^rE.coliC600と接合伝達を行い、Rif^r, Amp^r(RP4の形質)およびモノヨ-ト酢酸耐性(Tn dehH2の形質)のtransconjugantを約90株得た。これらの株にはRP4とpUOlの融合プラスミドや組み換えプラスミドを認めたが、この融合や組み換えがTn dehH2の転移や組み換え能に依っているのかどうかは現在解析中である。
|