研究課題/領域番号 |
07660123
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
皆川 信子 新潟薬科大学, 薬学部, 講師 (90113026)
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研究分担者 |
坂上 茂 新潟薬科大学, 薬学部, 助手 (10201518)
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キーワード | シアン耐性呼吸 / Alternative oxidase / ミトコンドリア / 情報伝達 / 遺伝子発現 / 酵母 / Hansenula anomala |
研究概要 |
シアン耐性呼吸は、高等植物、真菌類、原虫トリパノゾ-マ等自然界に広く見い出されている。酵母Hansenula anomalaにおいては、この呼吸系はアンチマイシン等の呼吸阻害剤やSH化合物などによって誘導される。この誘導は、ミトコンドリアからの何らかの情報によって核コードされたAlternative oxidaseの遺伝子が発現する現象である。ミトコンドリアと核とを結ぶ情報伝達機構を解明するのが本研究の目的である。 我々は、この情報伝達におけるCa^<2+>イオンの関与について、検討を加えた。CaイオノフォアやCaキレーターによって、シアン耐性呼吸の誘導が顕著に抑制されることから、Ca^<2+>イオンの関与が示唆された。また、シアン耐性呼吸の誘導機構におけるタンパク質のリン酸化の関与についても検討した結果、SH化合物による誘導の場合チロシンキナーゼの関与の可能性が示唆された。 既にクローニングしたAlternative oxidaseの核遺伝子の構造を調べると、イントロンを含まず、上流域にTATAboxとCAATboxに加えて、炭素源による発現調節に関わると考えられる配列が認められた。アフリカ睡眠病の病原体である原虫Trypanosoma brucei bruceiのミトコンドリアの末端酸化酵素はAlternative oxidaseである。グルコース依存性の生細胞の呼吸及びグリセロール-3ーリン酸依存性のミトコンドリアの呼吸が抗生物質Ascofuranoneによってきわめて強力かつ特異的に阻害されることを新たに見い出した。Ascofuranoneは、ユビキノールのレドックスサイクルに作用していることが、明らかとなった。
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