研究概要 |
申請者らがStreptomyces griseoloalbus SN-22株培養上清に発見した新規プロテアーゼ(マシキノリシン)の基質特異性を初めとする基礎研究および応用研究を進め、以下のような成果を得た。1.基質特異性の解明:マシキノリシンの酸化インスリンB鎖および還元アルキルイヒリゾチームの切断点近傍のアミノ酸配列をモデルに,P_5-P'_3から成るオクタペプチド12種を新規に化学合成した。合成ペプチドは逆相分配HPLCで精製し,その構造はアミノ酸組成分析ならびに配列分析により確認した。これらペプチドに対するマシキノリシンの作用を詳細に検討した結果,切断点はモデルとした酸化インスリンB鎖および還元アルキル化リゾチームに対応していた。また、その水解速度は、P_1にVal残基をもつものが、Alaのものに比べて高いことが分かった。このことから,マシキノリシンがVal残基に特異性が高いユニークなプロテアーゼであると結論できた。平成8年度において,さらにこれらの結果にもとずき、ペプチドのモデルビルディングを計画している。2.その他:プロテアーゼとしての位置付け、および応用研究に関しては、予備検討の段階に止っている。平成8年度にて、重点的に進める計画である。
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