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1995 年度 実績報告書

真核細胞の細胞周期に作用する低分子プローブの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 07660128
研究種目

一般研究(C)

研究機関理化学研究所

研究代表者

長田 裕之  理化学研究所, 抗生物質研究室, 主任研究員 (80160836)

キーワード細胞周期 / 阻害剤 / 低分子プローブ / 真核細胞 / 微生物産物
研究概要

【実験材料と方法】
細胞周期の解析を行うに当たり、フローサイトメーターによるDNAヒストグラムの解析技術を確立し、細胞周期の中でも、M期に重点を置いて研究を行った。マウスの乳癌細胞由来の変異株tsFT210細胞は、M期の進行に必須な因子MPF(卵成熟促進因子)の活性サブユニットであるp34cdc2キナーゼが温度感受性になった細胞である。本細胞の培養液に微生物培養抽出液を添加した後、フローサイトメーターを用いて細胞周期阻害活性を測定した。
【研究結果】
(1)カビの代謝産物としてシトリニン(C)が報告されているが、カビの培養液より抽出可能な化合物形態はシトリニンメトキサイド(CM)およびシトリニンハイドレート(CH)であることを、NMRを用いて証明した。それぞれの化合物の細胞周期阻害活性を50%阻害濃度で顕すと、C:50μg/ml、CM:10μg/ml、CH:10μg/mlであった。また、いずれの化合物も水溶液中ではCHへと変換され易いことが示され、活性本体はCHであると考えられる。
(2)当研究室で単離した蛋白質セリンスレオニンホスファターゼの阻害剤ト-トマイシンと、最近我々が見出したチロシンホスファターゼ阻害剤RK-682、および市販のバナジウム酸を組み合わせて、MPFの活性発現調節機構を解析した。
(3)新しい細胞周期阻害剤トリプロスタチンAとBをカビの培養液から抽出した。それぞれの化合物は、50、12.5μg/mlの濃度でtsFT210細胞の細胞周期をM期で停止させた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Koshino, S., et al: "A new cyclic lipopeptide antibiotic, enamidonin" J. Antibiot. 48. 185-187 (1995)

  • [文献書誌] Hamaguchi, T., et al: "RK-682, a potent inhibitor of tyrosine phosphatase, arrested the mammalian cell cycle progression at G1 phase." FEBS Lett.372. 54-58 (1995)

  • [文献書誌] Ubukata, M., et al: "Preparation of optically active epiderstatin and its stereoisomers-epiderstatin is not a real inhibitor of mitogenic activity induced by epidermal growth factor." J. Antibioti,. 48. 1176-1178 (1995)

  • [文献書誌] B. R. Rani, et al: "Thiazoline analogues of epiderstatin, new inhibitors of cell cycle of tsFT-210 cells." J. Antibiot,. 48. 1179-1181 (1995)

  • [文献書誌] Cui, C.-B., et al: "Tryprostatins A and B, novel mammalian cell cycle inhibitors produced by Aspergillus fumigatus." J. Antibiot,. 48. 1382-1384 (1995)

  • [文献書誌] Osada, H.,: "Fascinating bioactive compounds from actinomycetes." Actinomycetlogica. 9. 254-262 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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