研究概要 |
アカクローバー(宿主)は根より寄生植物であるヤセウツボに対する発芽誘導物質を分泌する.その主要な成分は2種類あり、いずれもstrigolの異性体であるが、その一つは新物質であり、他の一つは既知物質のalectrolと同定した.また,宿主による発芽誘導物質の生産性は栄養環境によって、著しく影響をうけ、硝酸体チッソは発芽誘導物質の生産に必須であったが、リン酸は低濃度においても生産を阻害した.カリウムは生産とは無関係であった.生合成が栄養環境によって、著しく左右されることが本研究によって初めて明らかになったことは特筆したい.したがって、ヤセウツボに対する発芽誘導物質の生産を栄養環境によって制御することにより、ヤセウツボひいては農業上きわめて悪質な類縁の寄生植物の防除につながる可能性が考えられる.
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