研究概要 |
1,食品中のイソキノリンと複素環式アミンの定量・同定法について、HPLC-蛍光法による検討を行った。特にsalsolinolとN-methylsalsolinolは光学異性体(R)、(S)によってその神経細胞にたいする毒性が異なることを認めているのでその精製分離・定量法について種々検討を行い、有効な方法をみいだし、 Journal of Chromatography B,670(1995)pp.47-54に発表した。 2,選択的な神経毒性を検索するため,当面の研究の対象としてはドパミン細胞の選択的変性が起こる疾病であるパーキンソン病を考えている。そのためのモデル細胞としてヒト由来のドパミン系神経芽細胞腫 SH-SY5Y細胞にイソキノリンと複素環式アミンを添加培養し、その作用を検討した。また細胞毒性の指標として、alamarBlue法について検討した。 3,平成8年度においては,食品中のイソキノリンと複素環式アミンの定量と同定をあらに継続するとともに、その前駆体の検索を試みる。 4、イソキノリンと複素環式アミンのドパミン細胞の機能に対する影響を検討するため、培養SH-SY5Y細胞におけるドパミンの生成量、関連酵素であるチロシン水酸化酵素の活性の測定と本酵素のmRNAの定量をおこなう。
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