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1996 年度 実績報告書

血清アルブミン由来ペプチドAlbutensinによる血管、免疫および神経系の制御

研究課題

研究課題/領域番号 07660162
研究機関京都大学

研究代表者

吉川 正明  京都大学, 農学部, 助教授 (50026572)

キーワード血清アルブミン / albutensin / bombesin / 摂食調節ペプチド / Neuropeptide Y
研究概要

1,ヒトAlbutensin A (Ala-Phe-Lys-Ala-Trp-Ala-Val-Ala-Arg)はBombesinレセプターに対する親和性を示した(IC_<50>=133μM)。本ペプチドを絶食マウスに脳室内投与した場合には、10nmolでは摂食促進、30nmolでは摂食阻害活性を示した。Bombesinは本来摂食阻害活性を示すが、以上の結果から本ペプチドはBombesinのパ-シャルアゴニストであるために、低用量ではアンタゴニスト、高用量ではアゴニストとして作用したものと考えられる。一方、化学合成したdes-ArgヒトAlbutensin A-NH_2もBombesinレセプターに対する親和性(IC_<50>=100μM)を有しており、本ペプチドは絶食マウスに脳室内投与した場合には100nmolで摂食阻害作用を示したが摂食促進作用は示さないないことからBombesinアゴニストであると考えられる。Albutensin Aは補体C3aレセプターに対しても親和性を持っているが、C3aレセプターはAlbutensin Aによる摂食調節には関与しないことが判った。
2,ウシ血清アルブミンの一次構造に基づいて合成したフラグメントペプチドTyr-Leu-Ser-Leu-Ile-Leu-Asn-ArgはNeuropeptide Y_2レセプターに対する親和性を示した。本ペプチドをAlbutensin Bと命名した。Albutensin Bを絶食マウスに脳室内投与した場合には摂食抑制傾向が見られた。このことはAlbutensin BがNeuropeptide Yアゴニストであることを意味している。
3,以上のように異なった機構を介して摂食調節作用を持つ2種類のペプチドが血清アルブミンから派生することが判ったが、これらのペプチドが体内で派生し脳まで到達し実際に摂食調節作用を発揮しているかどうかについては不明である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] M.Takahashi: "Studies on the ileum-contracting mechanism and identification as a complement C3a receptor agonist peptide of oryzatensin." Peptides. 17(1). 5-12 (1996)

  • [文献書誌] H.Fujita: "Vasorelaxation by casomokinin L,a derivative of β-casomorphin and casoxin D,is mediated by NK_1 receptor." Peptides. 17(4). 635-639 (1996)

  • [文献書誌] 吉川正明: "学習能を高めるペプチド" バイオサイエンスとインダストリー. 54(3). 205-205 (1996)

  • [文献書誌] 吉川正明: "食品タンパク質からの生理活性ペプチドの生産とプロテアーゼの選択" 酪農科学・食品の研究. 45(3). A51-A60 (1996)

  • [文献書誌] 吉川正明: "食品中のタンパク質・ペプチド・アミノ酸の生体調節機能" BIO Clinica. 11(11). 33-37 (1996)

  • [文献書誌] 吉川正明: "食品蛋白質から多様な生理活性ペプチドが派生する" 医学のあゆみ. 180(6). 378-379 (1997)

  • [文献書誌] 吉川正明: "生物化学実験法38,食品中の生体機能調節物質研究法" 学会出版センター, 200 (1996)

  • [文献書誌] M.Yoshikawa: "Peptide Chemistry 1996" Protein Research Foundation, 543 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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