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1996 年度 実績報告書

亜高山帯針葉樹林の群落タイプと立地環境特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07660186
研究種目

基盤研究(C)

研究機関新潟大学

研究代表者

中田 誠  新潟大学, 農学部, 助教授 (80217744)

キーワードブナ林 / オオシラビソ林 / コメツガ林 / 林床植生 / 土壌特性 / ポドゾル / 垂直分布 / 更新特性
研究概要

平成8年度は、前年度とほぼ同じ新潟県苗場山の山地帯と亜高山帯の境界領域(海抜1580〜1760m)において、より詳細な現地調査と土壌分析を行い、以下のような知見を得た。
1.ブナ林、オオシラビソ林、コメツガ林の植生・土壌・分布:(1)ブナ林と、それにオオシラビソを混交した林分では林床植生の特徴が比較的似通っていたが、針葉樹(オオシラビソ、コメツガ)ぼ優占する林分では、それとはかなり異なった林床植生を有していた。(2)コメツガ林やオオシラビソ林の土壌は乾性または湿性のポドゾルになっていたが、ブナ林の土壌は暗色系褐色森林土もしくは弱度のポドゾル化土壌になっていた。(3)Ao層のpHはブナ林で高く、コメツガ林やオオシラビソ林で低い傾向が認められた。(4)Ao層のC/N比が相対的に低かった。(5)A層とのC/N比はコメツガ林で著しく高いが、ブナ林ではAo層の窒素含有率が高く、C/N比はコメツガ林でとくに高く、ブナ林で相対的に低かった。(6)コメツガ林のA層では、溶脱のために炭素、窒素、塩基量、塩基飽和度が相対的に低かった。(7)本調査地では、均質な斜面上(北向き)でのブナ林の分布高度(1700〜1750mくらい)が、これまで言われてきた垂直分布高度(新潟県では1500mぐらいまで)よりも高いところに位置していた。
2.オオシラビソ・コメツガ混交林の維持機構:(1)樹木の分散構造は、オオシラビソ・コメツガとも全階層で集合性を示し、またコメツガは、同種の階層間で正の分布相関を示していた。(2)オオシラビソの実生はあらゆる場所に定着していたが、コメツガの実生はササのリターがない根株・マウンド上にのみ定着しており、このような場所での同所的な更新が示唆された。(3)オオシラビソの稚樹は根株・マウンド上およびその周辺の地表に多く成育していたが、根株上では十分な成長が出来ず、地表に定着した固体が最終的に上層に達すると考えられる。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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