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1996 年度 実績報告書

霧島屋久国立公園におけるモミ・ツガ天然林の再生に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07660201
研究機関九州大学

研究代表者

吉田 茂二郎  九州大学, 農学部, 助教授 (80128462)

研究分担者 溝上 展也  九州大学, 農学部, 助手 (00274522)
曽根 晃一  鹿児島大学, 農学部, 助教授 (60264454)
キーワード霧島屋久国立公園 / モミ・ツガ天然林 / ニホンジカ / 食害 / 天然更新 / 森林施業 / 健全度モニタリング
研究概要

アカマツを含むモミ・ツガ天然林の維持再生を意図した施業法の確立がこの研究の目的である。研究は、(1)実行した択伐方法の評価、(2)特別保護区の健全度モニタリング、(3)森林動物の採食様式の把握、(4)天然林再生のための施業指針の提示の4つのテーマにしたがって行った。
(1)の実行した択伐については、択伐指標林内の稚樹について、伐採前から存在していたものと、伐採後発生したものについてそれぞれ分析を行い、稚樹の成長にはいずれの場合も光条件が重要な役割を果たしていることがわかった。皆伐後の天然下種更新を目的とした林分について伐採後50年を経過した時点で調査を行い、目的とする樹種がかなりの頻度で更新しており、除伐により森林の再生が可能であることがわかった。
(2)特別保護地区の健全度モニタリングは、はじめに霧島山系の老齢な個体をもとに、写真帳形式の基準表を作成した。さらに、特別保護地区内に健全度モニタリングのためのラインプロット2ライン(全長2,500m×幅4m)を設定し、プロット内の20cm以上の個体について、先の基準帳をもとに健全度の調査を行い、現状の健全度を明らかにした。
(3)森林動物の採食様式の把握としてニホンジカについて研究を行った。シカによる被害は、林冠や体内の疎開度に左右され、林冠や林内が開けているほど被害率は高かった。これは林冠が疎開することで林内のシカの嗜好する植物が優占するようになり、林内が疎開することでシカが自由にそこを移動できるためだと考えられた。下層木をモミ・ツガの稚樹発生、幼樹の成長促進のための所伐を行ったが、成長量の増加は認められず、後継樹の枯死率はかえって上昇した。中途半端な除伐は行わない方が良いことが明らかになった。
以上の結果から、霧島地区における天然林の再生のための施業法について提案を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 上杉 基・吉田茂二郎: "霧島国有林内老齢木の健全度モニタリング" 日本林学会九州支部研究論文集. 49. 31-32 (1996)

  • [文献書誌] 曽根 晃一: "霧島山系におけるニホンジカの採食がモミ・ツガ天然林の更新に及ぼす影響" 自然愛護. 22. 18-21 (1996)

  • [文献書誌] 吉田 茂二郎他: "択伐後7年を経過したモミ・ツガ天然林の動態" 森林計画学会誌. (発表予定). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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