研究課題/領域番号 |
07660208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 拡邦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30261960)
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研究分担者 |
水町 浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40022165)
梶山 幹夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40191978)
竹村 彰夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50183455)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | フェノール液化 / 接着剤 / 熱硬化性樹脂 |
研究概要 |
本年度は、フェノールによる酸触媒法により得られた液化物から木材用接着剤を合成し、その硬化特性、接着特性などを検討することを目的とした。また、昨年度の木材の他に、廃棄材料である木質材料をもフェノール液化する検討を併せて行った。 [種々の木質材料を原料とする液化物の合成] 木材粉末と同様の方法で、製材工場から排出される樹皮、パルプ工業の副産物であるリグニンを原料としてフェノール液化を行い、これらの原料でも十分なフェノール化が起きることを確認した。 [接着剤用樹脂の合成] 昨年度の液化物とホルムアルデヒドとの最適反応温度の検討結果を参考にフェノール液化物から接着剤用樹脂を合成した。予備的にこの樹脂を加熱すると強靱な硬化反応物が得られた。溶媒としてメチルアルコールを使用し、縮合反応を極力抑えながら低温で樹脂化反応を行い濃縮すると、市販フェノール樹脂と同様の樹脂率で既存の塗布装置を使用できる粘度の樹脂が得られることを確認した。 [樹脂物の硬化反応] 得られた接着剤用樹脂の硬化反応について検討し、硬化速度は市販フェノール樹脂に少し劣るが、反応系のpHを幾分低下させることで、硬化速度が速まることを見いだした。 [接着特性の評価] 上述の結果から、得られた接着剤用樹脂は十分な接着特性を持つと考えられたので、接着剤を配合し木材に対する接着氏の評価を合板を作成して行った。木質材料類を原料とした接着剤の接着特性はいずれも目標とした市販フェノール樹脂の特性に匹敵する結果を示した。特に、フェノール成分を多く含むと考えられる木質材料ほど耐水性に優れていることが示された。
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