研究課題/領域番号 |
07660213
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
前川 英一 静岡大学, 農学部, 教授 (00027161)
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研究分担者 |
平井 信之 静岡大学, 農学部, 教授 (70023439)
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キーワード | ジアルデヒドセルロース / 機能性セルロース / オキシム型セルロース誘導体 / ジアミノ化セルロース誘導体 / 過ヨウ素酸酸化反応 / 高分子特性解析 / 固定化酵素 |
研究概要 |
構造的に多価アルコール様の性質をもつセルロース素材を過ヨウ素酸で酸化すると、反応性アルデヒド基をもつジアルデヒドセルロースを与える。本研究課題ではこの種の構造のセルロース誘導体の特性を利用して、分子内に第1級アミノ基をもつ特異な誘導体に変換し、生成物の分子構造的特性を解析する。さらにこのアミノ基と酵素蛋白のアミノ基とを結合剤で共有結合させて新規な複合体を調製し、酵素固定化担体としての有用性を検討する。本年度についてこれまでに本研究課題に関連して以下のような成果が得られている。まず供試市販のセルロース粉末試料を反応し易い状態に調整するために前もって溶媒置換、膨潤・非晶化処理を施した。活性化前処理したセルロース試料にメタ過ヨウ素酸塩試薬を加えて水系のもとで酸化し、反応性アルデヒド基を分子内にもつジアルデヒドセルロースを調製した。この際に過ヨウ素酸試薬の添加量を制御して、任意の酸化度の生成物を調製した。調製したジアルデヒドセルロースにヒドロキシルアミン試薬をPHを制御して加えて、ジオキシムセルロース誘導体に変換した。この反応に際してPHの制御が重要な反応要素であり、ジオキシム化調製の最適PHが5.5付近にあることを究明した。次いでオキシム型誘導体を注意深く還元して、第1級アミノ基に変換されたアミノ化セルロース誘導体を調製した。この際の還元条件としては高い濃度の還元剤のもとで反応PH9.5、反応温度20℃、24時間反応させるのが最適であることを示した。かくして得られたアミノ化セルロース誘導体の特性と化学構造を解析するために、導入ちっ素含量の分析・定量、アミノ基分析試験、IR及びNMRスペクトルの測定を行い、化学的試験により精査するとともに物理的試験により特性を解析した。そして高分子内に生成した第1級アミノ基に適用される反応について検討した。
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