研究課題/領域番号 |
07660218
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
阿部 勲 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20024581)
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研究分担者 |
光永 徹 三重大学, 生物資源学部, 助手 (20219679)
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キーワード | 縮合型タンニン / 樹皮タンニンのアルカリ変性 / タンニン質の求核反応性 / タンニン系樹脂接着剤 / 示査走差熱量測定(DSC) / GTase阻害活性 |
研究概要 |
本研究は、タンニン質の塩基性媒体中での反応挙動を解析し高機能性物質へと変換することを目的としているが、上記媒体処理によって構成核の一つであるA-環の一部が破壊され、分子全体の反応性と屈曲性の向上が期待される。本年度の検討結果を以下に集約する。 1.縮合型タンニンのアルカリ変性挙動(II) 常温アルカリ処理によって生成されるカルボニル基の分布状態と分子量との関連性を追跡するため、分子量分画物の性状を解析し、これらの変性は分子量の差異とは関係がないものと推定された。 2.示査走差熱量測定(DSC)による付加・縮合・硬化反応解析手法の開発 タンニン質とホルムアルデヒド(HCHO)との反応生成物には、安定したメチロール化物はえられず、メチレン化による高分子物に変性される。このことから、タンニン質を高反応性のノボラック型樹脂とみなした樹脂調製法の開発が論理的であることが明らかとなったため、付加・縮合・硬化の一連の反応をDSCによって追跡することとし、モデル物質による反応エンタルピー変化測定の妥当性を明らかにした。 3.変性タンニンのDSCによる付加・縮合・硬化反応の追跡 DSCとHCHO水溶液を用いてアルカリ変性物の求核性を追求し、塩基性溶液による処理はタンニン質の反応性向上手段として有用であることを認めた。 4.アルカリ変性タンニンのGTase阻害活性 アルカリ変性物のGTase阻害活性は未変性物より低下しており、B-環の水酸基パターンが著しくGTase活性を阻害することを確認した。
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