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1996 年度 実績報告書

ブリの摂餌刺激機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07660243
研究機関三重大学

研究代表者

日高 磐夫  三重大学, 生物資源学部, 教授 (80046341)

研究分担者 神原 淳  三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90183334)
森下 達雄  三重大学, 生物資源学部, 教授 (30024839)
キーワード魚 / ブリ / 摂餌刺激物質 / 筋肉エキス / 味覚 / 嗅覚
研究概要

マアジ筋肉エキスのブリ若魚に対する摂餌刺激効果及び,味覚器・嗅覚器に対する刺激効果を調べた.普通筋の水抽出エキスを分画分子量10,000のフィルターで限界濾過し,濾過液を陰イオン交換体DEAE-Sephadex A-25(pH5.5)及び陽イオン交換体CM-Sephadex C-25(pH6.5)のカラムにかけ成分を分画し,各画分の成分をデンプンペレットに添加して魚に投与後1分以内の摂取量を調べた.また,エキス成分に対する味覚神経応答・嗅球誘起脳波を調べた.
1)摂餌刺激実験
(1)DEAE-Sephadex非吸着区はほとんど刺激効果なく,吸着区に強い効果が認められた.
(2)DEAE-Sephadex吸着区を0.2M及び0.4M NaClで段階的に溶離したところ,0.4M区に比較的強い効果が認められ,一方,0.2M区の効果はきわめて弱く,再分画によって効果が弱まることを示した.
(3)CM-Sephadex吸着区はほとんど無効で,非吸着区は無処理エキスに近い効果を示した.
これらの結果は,前年度の結果と基本的に一致し,エキスの摂餌刺激効果が複数の成分によって発現すること,陰イオン交換体吸着区に主要な成分が含まれることが確認された.
2)味覚器・嗅覚器刺激効果
(1)いずれの感覚器も調べたイオン交換体処理各画分に対して感受性を示した.
(2)しかし,各画分の刺激閾値及び高い濃度での相対的応答値は,両感覚器で差異が認められた.これは,エキス成分を個別に比較したときにより明瞭に認められた.
(3)アミノ酸に対しては概しては嗅覚器の方が感度が高く,AMP,IMP等のヌクレオチドや乳酸には味覚器の方が高いことが判明した.とくに,摂餌刺激実験においてマアジ筋肉エキスの重要な有効成分とみられるIMP及び乳酸に対する味覚器の閾値は嗅覚器の閾値より2〜3桁低いところにあった.
これらの知見は,摂餌行動における,嗅覚器の遠隔受容器としての,味覚器の餌の口内への取り込み・嚥下における化学的弁別の役割を示唆する.

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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