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1995 年度 実績報告書

赤潮プランクトン、シャッツトネラの活性酸素産生とその意義

研究課題

研究課題/領域番号 07660251
研究種目

一般研究(C)

研究機関長崎大学

研究代表者

小田 達也  長崎大学, 水産学部, 助教授 (60145307)

研究分担者 石松 惇  長崎大学, 水産学部, 助教授 (00184565)
キーワード赤潮 / 活性酸素 / プランクトン / シャットネラ
研究概要

シャットネラの増殖曲線と活性酸素産生との関係について調べた結果、対数増殖期に活性酸素産生は最高値を示し、定常期及び死滅期には低下することを見いだした。さらに、SODやカタラーゼ添加によってシャットネラの増殖が著しく抑制されたことから、活性酸素はシャットネラにとって増殖因子として作用していると推定された。また、鉄に特異的に作用するキレータであるdesferalが濃度依存的にシャットネラの活性酸素産生を阻害することを見いだした。ある種の植物細胞の形質膜上には活性酸素産生を司るNADPH oxidaseが存在しており、この酵素はその酵素活性発現に鉄イオンが必要であることが知られている。シャットネラも光合成能力を有する植物プランクトンであることから、高等植物で見いだされた酵素系に類似した反応系によって活性酸素が産生されると推定された。この点についてはさらに検討する必要がある。
一方、シャットネラの魚毒性に関しては、シャットネラ暴露時における魚えら組織の生理学的及び生化学的変化について詳細に調べた結果、シャットネラ暴露後、最も所期に観察される魚体内での変化は血中酸素分圧の急激な低下であり、それに先だって魚えら組織が大量の粘液物質で覆われガス交換能が低下することを見いだした。従って、シャットネラの産生する活性酸素が魚えら組織からの粘液物質の異常分泌を引き起こし、えら組織のガス交換能が著しく低下し、窒息死に至るものと推察された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Oda,J.Moritomi,I.Kawano S.Hamaguchi,A.Ishimatsu,T.Muramatsu: "Catalase- and Superoxide Dismutase-induced Morphological Changes and Growth Inhibition in the Red Tide Phytoplankton Chattonella marina" Biosci.Biotech.Biochem.59. 2044-2048 (1995)

  • [文献書誌] 小田達也、石松 惇: "赤潮プランクトン、シャットネラによる活性酸素産生と毒性発現機構" マリンバイオテクノロジー研究会報. 8. 15-28 (1995)

  • [文献書誌] A.Ishimatsu,M.Sameshima,A.Tamura、T.Oda: "Histological analysis of the mechanisms of Cbattonella-induced hypoxemia in Uellow-tail" Fisheries Sciences. 62(in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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