本研究では、水産物の高度冷凍保存法を目指し、水産物のガラス転移温度を決める要因(塩分、水分、エキス成分等)と操作条件(冷却速度)を明らかにし、かつ、ガラス転移温度以下で保存することによってどの程度品質が保たれるかを検証することを目的とした。 各種魚肉試料について、冷凍条件(冷凍速度)、保存条件(冷凍保存温度)を変えて保存し、動的粘弾性測定装置(Perkin Elmer DMA-7)、示差走査型熱分析装置(Perkin Elmer DSC-7)、によりガラス転移現象(ガラス転移温度、比熱変化)を観測した。 各種魚肉について、動的粘弾性測定装置(Perkin Elmer DMA-7)、示差走査型熱分析装置(Perkin Elmer DSC-7)を用いて、冷却速度を変えてガラス転移温度を測定した。ガラス転移温度は冷却速度に依存することが期待されたが、実験した冷却速度の範囲(1℃から50℃)では影響は見られなかった。 サンプル毎にガラス転移温度を決めるほか、塩分、水分(Perkin Elmer TGA-7、現有している)、エキス分(Perkin Elmer Integral-100、現有している)を測定し、相関を検討した。6種の魚種のうち5種については水分とガラス転移温度との間に良い相関が得られた。
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