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1995 年度 実績報告書

コイ補体のB因子およびC2のcDNAクローニング

研究課題

研究課題/領域番号 07660271
研究機関九州大学

研究代表者

矢野 友紀  九州大学, 農学部, 教授 (90038266)

キーワード魚類 / コイ / 補体 / B因子 / C2 / cDNA / RT-PCR / クローニング
研究概要

哺乳類の補体系のC2とB因子は、それぞれ古典経路と第二経路を介して補体系の中心成分であるC3を活性化する重要な役割を担っている。本研究は、硬骨魚類のレベルで補体の古典経路と第二経路の分化を遺伝子レベルで検証することを目的として、コイのC2およびB因子のcDNA断片をRT-PCR法によって単離し、その配列を解析した。PCRプライマーには、両成分のセリンプロテアーゼドメイン内で保存されている2ケ所のアミノ酸配列をもとに合成した20merのオリゴヌクレオチドを用い、コイ肝膵臓から分離したmRNAを鋳型としてRT-PCRを行ったところ、250bpのDNA断片が特異的に増幅された。これをアガロースゲル電気泳動によって精製後、pGEM-Tベクターにサブクローニングして得られた15クローンの塩基配列をABI373Aシーケンサーで決定したところ、すべて同一の配列であった。また、この塩基配列から推定したアミノ酸配列は、マウスのC2およびB因子のアミノ酸配列とそれぞれ44%、42%と同程度の相同性を示した。
マウスの肝臓mRNAからは、今回と同様の方法でC2とB因子をコードする2種類のcDNA配列が得られるのに対し、コイからは1種類の配列しか増幅されてこなかったこと、およびその配列が哺乳類のC2およびB因子に対して同程度の相同性を示したことは、硬骨魚類の補体系では、哺乳類とは異なり、C2とB因子の分岐は起こっておらず、両成分の機能を合わせ持つ1種類の成分しか存在しないことを示唆している。現在、本研究で得られたcDNA断片をプローブとして、cDNAの全長クローンの単離を進めているが、今後、この成分が実際にC2とB因子の機能を兼ね備えているかどうかをタンパク質レベルでも検証する必要があると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 矢野 友紀: "魚類の補体" 魚病研究. 30. 151-158 (1995)

  • [文献書誌] 矢野 友紀: "水産動物の生体防御" 森勝義, 神谷久男 編, 129 (1995)

  • [文献書誌] 矢野 友紀: "生物生産と生体防御" 村上浩紀, 緒方靖哉, 松山宣明, 河原畑勇, 矢野友紀 編著, 349 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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