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1996 年度 実績報告書

魚類におけるビリルビンの抗酸化機能と生体内脂質過酸化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07660272
研究機関宮崎大学

研究代表者

境 正  宮崎大学, 農学部, 教授 (60136794)

研究分担者 山口 登喜夫  東京医科歯科大学, 難治研, 助教授 (30134745)
キーワードビリルビン / 黄疸 / ブリ / サブスタンスX / α-トコフェロール / アスコルビン酸 / エクストルーダー処理 / 魚粉
研究概要

1.ASAとデハイドロアスコルビン酸(DASA)の魚類組織中での同時定量法を確立した。この方法により組織中のASAとDASAの二つを同時に定量できるよになり、その結果黄疸発症とASAのかかわり合いが明らかになった。
2.2試験区を設け、飼育試験を行った。1区:20mg/100g飼料のアスコルビン酸リン酸マグネシューム塩(APM)を含むEP飼料にアスコルビン酸(ASA)0mg添加。2区:20mgASAを添加。この2飼料で2月間魚を飼育した後、黄疸原因菌を接種した。接種後5日目に魚を取り上げ、肝臓および血液中の生体内脂質過酸化に関与する成分を測定した。飼育結果には両試験区に差は認められなかった。肝臓および血漿中の生体内脂質過酸化の指標となるチオバルビツール酸値およびフォスファチジルコリンハイドロパーオキサイド含量は2区で低く、生体内脂質過酸化の進行がASA補足により抑制されたことを示している。肝臓中のASA含量は2区で高かった。黄疸菌接種により肝臓中のASA量は低下し、黄疸菌接種により起こった溶血による生体内脂質過酸化を抑制するためにASAが消費されたことを示している。また、血漿中のビリルビン含量は両区ともに上昇し、ASA補足による黄疸の軽減は認められなかった。血漿中のASA含量が両区ともに検出限界以下であったこと、すなわち黄疸の発症を抑えるために必要なASAが血液中に供給されなかったことが、黄疸が2区においても発症した原因であると考えられる。
3.ギンザケのEIBS感染実験を行った。4週目から幼弱赤血球が出現し始め、5週目からは回復期に入ったことが確認された。これまでの実験結果と比較すると、回復期にはいるのがやや早く、Ht値も極端に(10%以下)に低下することなく、病状は比較的軽度に進行した。今回の実験では、魚の成長速度が遅かった(摂餌が充分でなかった)ことがその原因と思われる。肝臓のTBARS値および血球膜の脂肪酸組成の変動の結果より、病状の進行と生体内の脂質過酸化との関連性があると思われた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Murata.H.,Sakai.T.et al.: "Peroxidation levels and antiovidant activities of cultured and wild yellowtail." Fisheries science. 62. 64-68 (1996)

  • [文献書誌] Yamaguchi.T.,Shioji.I.,Sugimoto.A.et al.: "Epitope of 24G7 antbilirubin monoclonal antibody" Biochim.Biophys.Acta.1289. 110-114 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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