研究概要 |
形態学に依存しないMicrocystis属の種間識別法を確立する目的で、本属の種に特異的なモノクローナル抗体の作製を試みた。まず、M.aeruginosa f.aeruginosaをBALB/cマウスの腹腔内に投与し、マウスの免疫を行った。このマウスの血液を採取し、その中にMicrocystisに対する抗体が含まれているかどうかを、FITCで標識したGoat anti-mouse immunoglobulinを用いた間接蛍光抗体法で判定した。その結果、免疫を8週間行ったマウス血液中に陽性反応を確認することができたので、本法を用いると抗体の検出が可能であること、マウスに免疫が成立していることが明らかになった。次に、モノクローナル抗体を作製するために、免疫の成立したマウスの脾臓細胞とマウスミエローマ細胞をポリエチレングリコールで融合させた後、HAT選択培地を用いて融合細胞(ハイブリドーマ)のみを増殖させ、限界希釈法によってそれらの細胞のクローニングを行った。その結果、M.aeruginosa f.aeruginosaには反応するが、M.aeruginosa f.flos-aqua,M.viridisやM.wesenbergiiには反応しないモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得ることができた。 以上の結果から、M.aeruginosa f.aeruginosaに特異的な抗体を作製することができたと考えている。
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