女性農業者は、これまで単なる働き手としてだけ考えられ、自立した個人としての権利はほとんど与えられることはなかった。今年度の調査で、以下のような状況と新しい変化があらわれていることが確認された。 (1)休日が定まっていない。労働に対する報酬も明確にきめている事例は少ない。農地等、不動産の所有権は皆無に近く、農協理事、農業委員等の役職についている女性もほとんどいない。 (2)・「嫁」を義父の養子とした例がいくつか出てきた。「家」の構成員として認知された喜びは大きく、家族関係はより親密さを増している。 ・後けい者の就農を機に、休日・給与制を導入する農家が増加しつつある。 ・農協の複数組合員制を要求する運動が展開され、女性理事選出の気運が全国的にたかまってきている。 (3)以上のような変化は、農村女性の地位向上を意味するものであり、後継者の「嫁」不足問題を解決する上での寄与度は大きい。
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