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1995 年度 実績報告書

"Community-based approach"と協同組合-東南アジアにおける農漁業資源管理に関する研究-

研究課題

研究課題/領域番号 07660295
研究種目

一般研究(C)

研究機関鹿児島大学

研究代表者

山尾 政博  鹿児島大学, 水産学部, 助教授 (70201829)

キーワードCommunity-based approach / 協同組合 / 水産資源 / co-management / 地方分権化 / 伝統的システム / 住民参加 / フォーマル化
研究概要

研究実施計画にしたがって、東南アジアの村落社会を基盤とする資源管理システムについて、文献・資料に依拠しながら検討した。本年度は主に水産資源の管理と協同組合との関係について明らかにし、次のような知見を得た。
(1)現存する伝統的な管理システムは、遠隔地や人工の希薄な地域、地縁的な結びつきは文化・社会的な一体性を基盤に成立している。だが、商品経済の浸透により、その正確は変質しつつある。
(2)各国は漁業および資源管理をめぐる政策の体系化を試みているが、沿岸漁業ではインフォーマルな村落機能に注目している。フォーマル組織に再構成する試みが、漁村開発のなかに位置付けられている。
(3)資源利用に関して協同組合的な漁民組織を育成しようとする動きが具体化している。水産行政の地方分権化ともからんで、組織は漁民と中央政府の間に位置する中間媒体となりつつある。
(4)しかし、協同組合が中間媒体となりうるかどうかについては賛否両論がある。漁協政策に対する評価と深く関係している。
一方、タイを事例に農漁村の協同組合の最近の動向とその再編成について整理した。1980年代半ばまで停滞を続けていた協同組合は、経済の自由化と規則緩和のもとで経営・事業規模の拡大する方向をめざしつつ、地域に根差した組織に再び回帰するという相反する動きを内包している。農漁業資源の開発と利用を制御し、住民間でなるたけ公平な分配と費用負担を実現しようとする動きが、協同組合設立に向かいつつあることがわかった。伝統的な管理システムがもつ参加住民の間にあるヒエラルヒ-を、協同組合の運営によって回避しようとする動きが注目される。
以上のような内容で研究を進め、一部はすでに論文として発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山尾政博: "タイにおける沿岸漁業政策の推移と魚民組織の課題" 漁業経済論集. 36. 207-221 (1995)

  • [文献書誌] 山尾政博: "Transitional Stage Towards Structural Reforms of Agricultural Cooperatiues in Thailand" South Pacific Study. 16(印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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