研究概要 |
「土地の人」のミスマッチ,地域的欠落を公的主体が所有権,利用権にいかに関わるのか。市町村農業公社等や農地管理型第三セクターなど各地域でさまざまな動きがすすみはじめている。平成7年,8年の各地での公的機関の動きと直面している課題の把握には一定の成果をみた。個別農家の自助努力とともに集落や利用改善団体による斡旋・調整機能,市町村農業公社等による賃貸借・作業受委託,さらには開発公社などの保有合理化事業,町有農地や公共草地の創設など公的機関による重層的土地保有・管理機能の総合力を最大限に活用して「土地と人」とを地域から支援・強化すべき段階にきている。ただし,そうした農地公的管理もあくまで個別経営支援し補完する主体としての位置づけから遊離することなく,そのための重層的農地公的管理方式を想定しなければならない。と同時に,総合的農地の保有ストック機能を活かしている間に地域担い手の取得能力の養成と取得可能となるような農地条件整備とその付加価値化もまた公的管理の責任なのである。
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