研究課題/領域番号 |
07660300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
熊井 治男 東京農業大学, 農学部, 助教授 (10195513)
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研究分担者 |
井形 雅代 東京農業大学, 農学部, 講師 (10231127)
板垣 啓四郎 東京農業大学, 農学部, 助教授 (20130304)
友田 清彦 東京農業大学, 農学部, 助教授 (90109554)
北田 紀久雄 東京農業大学, 農学部, 助教授 (20120131)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 女性の役割 / 家族農業経営 / 地域活性化 / 中山間地域 / 高齢化 / 支援ネットワーク / GAD(GENDER AND DEVELOPMENT) |
研究概要 |
平成7年度及び8年度において鹿児島県薩摩郡東郷町及び山形県庄内地域で調査研究を実施した。これらの調査対象地域では、農作業における機械化、経営面での兼業化などの進展により、生産の場面での女性の役割が大きく変化し、農家の生活面でも女性のライフスタイルの変化がみられ、地域社会での活動への積極的な進出が確認された。とくに庄内地域では、都市部の生協の消費者との相互交流を通じて、農村女性が自然環境や生活環境のさまざまな問題や、健康や食の安全性などについての理解を深めてきた。こうした事例は、都市と農村との交流の可能性や重要性を考える上で示唆的であった。また、東郷町はいわゆる条件不利地域にあたるが、資源、人材、予算等の制約の中で、地域の活性化という困難な課題に向けて、とくに女性たちが意欲的かつ主体的な活動展開をみせ始めており、これに高齢者や青年たちの活動とが有機的に連携すれば、一層の可能性を拡大できるものと考えられる。これまで家事や農作業において、女性たちの活動と役割が重要であることが指摘され続けてきたが、それらが社会的な評価として認識されることはほとんどなかったといえよう。しかし、各地で実施してきた比較調査により、農山村の女性たちの意欲的な活動が着実に地域にインパクトを与えつつあることを明らかにできたことは大きな意味があると考える。とくに、これまでの調査結果から得られた知見からすれば、地域資源や社会組織、人材などにおける地域特性を十分考慮しつつ、有効な指標にもとづく比較研究の有効性が明らかになったといえる。今後の農村女性の地域社会におけるさまざまな活動展開と地域活性化という課題に向けて、行政との連携や農協の部会組織活動をベースにした、公私の支援ネットワーク構築が重要な課題といえる。本研究の成果として農村女性と地域の活性化に関する学術図書を刊行する予定。
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