フィルダムの計画・設計・施工に関係して、貯水の浸透・漏水は重要な問題の一つである。堤体部、基礎部と地山部を含めた総合的な浸透流の解析を行って、浸透量、漏水量を予測することは、経済的で安全性の高いフィルダムを築造する上で不可欠である。 本年度の研究実績は以下のとおりである。 1定常浸透流問題と仮定した。 2ノイマンが提案した飽和・不飽和浸透を一元化する相対浸透性係数を導入して、飽和・不飽和領域を一体とし、圧力水頭が0の点を連ねて自由水面とした。 3三次元アイソパラメトリック二次要素内の水頭分布の内挿関数の近似式を決定した。 4水頭分布の近似内挿関数を決定後、変分法によって、三次元浸透流の基礎方程式の定式化を行った。 5有限要素方程式解法の一つであるガウスの消去法による数値計算プログラムを作成した。 6老朽化ため池の現地調査の結果から、堤体内浸潤線水位に適合するコア部飽和透水係数の同定法を考察した。
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