1.くさび挿入によるコンクリートの破壊力学試験装置の作製 くさび挿入による割裂試験法を基本とした載荷装置と変位計測装置を作製した。この装置を用いることによりコンクリートの荷重-開口変位曲線をピーク以降の下降域を含めて安定的に計測出来るようにした。実験対象とする材料の種類によってはひび割れ発生後の耐ひび割れ抵抗性が大きく異なるので、このような場合にはくさび角度の異なるくさびを使用して荷重-開口変位を計測するように設計した。 くさび挿入試験装置により、天然骨材および再生骨材を使用したコンクリートの荷重-開口変位を測定した。この結果より、荷重-開口変位変位曲線をピーク以降の下降域を含めて安定的に計測できることを確認した。 2.破壊力学パラメータ解析システムの構築 コンクリートの破壊力学パラメータとして、1)破壊エネルギー、2)引張軟化曲線の二つのパラメータを解析するシステムの構築を行った。このシステムは、計測した荷重-開口変位関係をマイクロコンピュータに取り込んで解析するシステムと有限要素解析などの数値処理システムとから構成されている。破壊エネルギーの解析では、荷重-開口変位曲線に囲まれる面積を算定するアルゴリズムを採用した。また、引張軟化曲線の推定では、有限要素解析と組み合わせた多直線近似解析アルゴリズムを採用した。
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