作業者と農業機械とのコミュニケーションを重視する観点から、ハンドル、レバ-、ペダルなどの現在の接触型入力操作装置に代えて、視線などのノンバーバルなヒューマンインタフェース(nonverbal interface)の導入を検討し、本年度は以下の成果を得た。 1 室内実験システムの試作について (1)左右駆動輪と作業機部を想定した4台の小形ICギャ-ドモータ(PWM制御)と模擬負荷を与える電磁パウダブレーキで構成するアクチェエータサブシステムを作成した。 (2)制御・モニタ・データ収集サブシステムをOPTO 22社(米国)Mistic システムを基盤にして構築した。 (3)未完成の視線入力サブシステムを除いて、試作した室内実験システムは、使いやすい農業機械の入力操作システムを開発、評価するプラットホームとして極めて有用である。 2 農業機械作業時の動作と視線の特性について (1)現在の歩行形トラクタを対象にして作業時の入力操作に関する動作分析を行い、特徴を解析した。 (2)自然な視線入力が可能な動作パターンを手動入力方法と比較して抽出した。農業機械作業の未熟練者にとっては、視線とジェスチャを併用する入力操作が馴染みやすい。 3 農業機械の使いやすさを実作業場面で検討する場合に、機械からの反力をはじめ体性感覚を無視できないので、本年度は圃場実験機を追加試作して、実作業感覚時の視線入力の評価を行う必要がある。
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