作業者と農業機械とのコミュニケーションを重視する観点から、ハンドル、レバ-、ペダルなどの現在の接触型入力操作装置(haptic interface)に代えて、視線を主とするインタフェースの導入を検討し、本年度は以下の成果を得た。 1圃場実験機の試作 農業機械の使いやすさを実作業場面で検討する場合に、機械からの反力をはじめ体性感覚を無視できないので、実作業感覚時の視線入力導入の検討を行うために、本年度は圃場実験機を試作した。 (1)昨年度に構築した室内実験システムとの互換性を確保しつつ、アクチュエータ系を走行車輪とした圃場実験機1号機(二輪トラクタタイプ)を試作し、実作業時のインタラクティブ性を検討可能にした。 (2)制御・モニタ・データ収集サブシステムを搭載した圃場実験機2号機(四輪トラクタタイプ)を試作した。 2農業機械作業時の動作と視線入力の特性の究明 (1)歩行形トラクタを対象にして作業時の視線と顔の動きを分析し、操作意志決定までのパターンは眼の動きと顔の向きの二要素からなることを得た。 (2)安全確保と機械の安定走行のために視線の検知に続いて、手動や音声などによる簡潔な入力決定を行う必要があることを得て、農業機械入力操作のための視線入力アルゴリズムを提示した。 (3)より自然な入力操作方法として、圃場実験機に音声入力システムを構築した。
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