研究概要 |
高水分籾を脱ぷして玄米試料を作るためのインペラ籾すり機の研究を行った。高水分でも脱ぷ率は回転数およびエネルギーに対してワイブル分布関数で表せた。西山の理論によって設計した新型羽根と従来羽根を比較すると、20%以上の高水分籾では新型羽根の方が砕米も少なく良好であった。 1996年産32品種の試料により1995年産試料から作った検量式に対してvalidationを行った。化学分析は、測定者が異なり、また、アミローズ測定機の機種は同じAuto AnalyserIIであるが、別の機械を使った。その結果、水分r=0.95,蛋白質0.75,アミロース0.76となった。これから、蛋白質においてやや低いが、その他は乾燥玄米を使う市販機と比べて遜色がなかった。 これらの結果から、インペラ籾すり機で脱ぷした高水分玄米からのNIR成分・食味予測は、各成分について吸光度2次微分スペクトルから3波長以上を選択して検量式を作れば、乾燥玄米を使う市販の分析機に勝るとも劣らない精度を有していることがわかった。よって本方式は、高精度を要しないRC入口での分析には問題なく使えることがわかった。更に、水分の予測精度が高いことから、高水分領域では精度が低い電気抵抗式水分計に代わって、高精度の水分計として使用できることが明らかになった。
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