研究概要 |
1.4卵以上の規則正しい連産を示す白色レグホン産卵鶏を用い、午前9時台にC_s放卵が行なわれた日に以下の通り実験材料を採取した。すなわち、C_s放卵後0、2、5、8および11時間に鶏卵巣を摘出し、まだ急速成長相に入っていない小卵胞のうちから湿重量順に上位5個を採取した。この条件下では、上位5個の小卵胞のうちの1個が放卵後8〜11時間に高頻度で卵胞転移を起こすことがすでに確認されている(Imai et al., 1992)。採取した個々の卵胞は顆粒層および卵胞膜層に分離し、それぞれを1時間培養した後、培養液中のP_4およびE_2量を測定した。その結果、両ホルモンの産生能が他に比して高い1個の小卵胞が見出された。また、この卵胞における顆粒層のP_4ならびに卵胞膜層のE_2産生量の経時的推移から、P_4がE_2の高まりに先立つことが認められた。 上記の結果に基づき、6卵以上の規則正しい連産を示す産卵鶏を用い、午前9時台のC_s放卵後2時間にAminoglutethimide(AG)を投与し、さらにAG投与後2、6、10時間に3種類の脂溶性色素のそれぞれを静注し、放卵後14時間に鶏卵巣を摘出して小卵胞の急速成長相への転移ならびにその時間帯を調べた。その結果、AG投与により卵胞転移の起こらなかった個体が50%を占め、転移の起こったものでもその時間が対照より遅延した場合が多くみられた。またAG投与後2時間で血中E_2濃度は対照群より有意に低下し、卵胞転移が起こらなかった個体では投与後12時間まで低レベルを持続したのに対し、転移が起こった個体では投与後10時間で対照群と同程度のホルモン濃度に回復していた。 3.前記2の成果に基づき、AG投与後の個々の小卵胞におけるE_2産生能の経時的変化の様相を明らかにすることを目的として、現在研究しつつある。
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