研究課題/領域番号 |
07660387
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
桑原 幹典 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10002081)
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研究分担者 |
稲波 修 岩手大学, 農学部, 助教授 (10193559)
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キーワード | マクロファージ / 単球 / 一酸化窒素 / スーパーオキシド / スピントラッピング / 電子スピン共鳴法 / メチルグルカミンジカルバメート / リポポリサッカライド |
研究概要 |
マウスのマクロファージはC57Black/6マウス(1〜2ケ月齢)にTGC(チオグリコレート)をマウス当たり2mL腹腔投与し、5日間飼育後、ヘパリン5u/mL、ストレプトマイシン100μg/mL、ペニシリン300u/mLを含む1mMのPBS(-)5〜10mLをマウス腹腔に入れ、回収したものを使用した。生細胞を合わせたサスペンドに刺激剤としてLPS(リポポリサッカライド)を0.1mg/mL、NOのトラップ剤としてメタルキレーター化合物[(MGD)_2/Fe]を8mMになるよう加え、ESR測定用フラットセルに入れ(約200μL)、適宜インキュベートした後、生成されるNO(一酸化窒素)をESR(電子スピン共鳴)法による測定した。 牛マクロファージは、採血後グラジエント遠心法により分離した単球を得、プラスチック培養皿に撒き、CO_2インキュベータ-中、37℃で1時間インキュベートし後、非吸着細胞を取り除き、5%FCSと0.2%EDTAを含むPBS中でインキュベーションを続行し、形態学的にマクロファージへ変化したものを使用した。 マウスマクロファージでは、LPSを添加しインキュベーションを続けると2日後に生成の最高値が見られ、その後一旦減少するが、4日後から再び生成が上昇することが明らかにされた。LPS添加と同時にスーパーオキシド除去剤であるSODを添加すると、NO生成がさらに上昇した。このことはマクロファージはLPS刺激時にNOと同時にO_2^-(スーパーオキシド)も生成しており、両者の反応を通してNO生成量がレギュレートされていることが推察された。4日後からの再上昇はO_2^-生成の低下と関連しているもの思われる。一方、牛単球を用いた実験から、単球はNO生成量は低く、逆にO_2^-の生成が高いことが観察された。このように、単球の段階ではO_2^-生成が主となり、NOが抑制され、マクロファージに成熟していくに連れてO_2^-生成が弱くなり、NO生成が主となっていくものと推察された。
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