研究課題/領域番号 |
07660389
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
谷口 和之 岩手大学, 農学部, 教授 (70148089)
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研究分担者 |
稲波 修 岩手大学, 農学部, 助教授 (10193559)
小川 和重 岩手大学, 農学部, 助教授 (60231221)
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キーワード | 主嗅球 / 副嗅球 / 嗅上皮 / 鋤鼻器 / MAPキナーゼ / NADPH-ディアフォラーゼ / NO合成酵素 / in situ hybridization |
研究概要 |
嗅球は嗅覚の一次中枢で主嗅球および副嗅球から成り、主嗅球は嗅上皮から、副嗅球は鋤鼻器からの投射を受ける。嗅上皮および鋤鼻器の感覚細胞は双極性のニューロンで、その軸索はそれぞれ主嗅球および副嗅球の表層に至って嗅神経層および鋤鼻神経層となってからその深部で糸球体とよばれる特殊な構造を形成する。嗅覚情報はこの糸球体で嗅球の固有ニューロンである僧帽細胞および房飾細胞へと伝達される。固有ニューロンの機能は糸球体を取り巻く傍糸球細胞、嗅球全体に散在する短軸索細胞、嗅球最深層に密在する顆粒細胞など、各種介在ニューロンによる調節を受ける。 本研究ではまず、NO合成酵素と相同であるといわれるNADPH-ディアフォラーゼを酵素組織化学により、NO合成酵素はその抗体を用いた免疫組織化学により、またNO合成酵素に対するmRNAはそれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いたin situ hybridizationにより検索した。NADPH-ディアフォラーゼの反応は短軸索細胞と副嗅球の顆粒細胞に強く認められ、また糸球体、傍糸球細胞、主嗅球の顆粒細胞にも中等度に認められた。一方、NO合成酵素に対する免疫組織化学およびin situ hybridizationでは反応およびシグナルはNADPH-ディアフォラーゼの場合とほぼ同様であったが、糸球体には認められなかった。従って、糸球体におけるNADPH-ディアフォラーゼの反応はNO合成酵素とは別の物質を捉えたものと考えられた。また、NO合成酵素は収穫伝導路において各種の介在ニューロンに発現して固有ニューロンの機能を抑制的あるいは促進的に調節していることが推測された。 MAPキナーゼの発現およびin situ PCR hybridization技法の確立についてはいまだ検討中である。
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