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1995 年度 実績報告書

家畜の糞線虫の消化管からの排除における粘膜型肥満細胞の役割

研究課題

研究課題/領域番号 07660405
研究種目

一般研究(C)

研究機関宮崎大学

研究代表者

堀井 洋一郎  宮崎大学, 農学部, 助教授 (80173623)

研究分担者 牧村 進  宮崎大学, 農学部, 教授 (80003127)
キーワード糞線虫 / 肥満細胞 / 消化管 / 粘膜 / 防御機構 / 杯細胞 / キマ-ゼ / トリプターゼ
研究概要

当初計画のうち、イヌの糞線虫(Strongyloides stercoralis)、ウシの糞線虫(S.papillosus)、ブタの糞線虫(S.ransomi)の成虫をW/W^Vマウスと対照の+/+マウスの十二指腸に外科的に移入し虫体の排除にかかる期間を比較したところ、S.stercoralisの排除には肥満細胞欠損マウスであるW/W^Vの方が+/+マウスより明らかに長期間を要した。一方、S.papillosusやS.ransomiの場合には両マウス間で著明な差がみられず、きわめて短期間のうちに虫体が排除された。現在、排除のメカニズムを詳細に調べるために両マウス小腸の粘膜肥満細胞と杯細胞の数および性状を組織化学的に検討中である。
また同時進行していたスナネズミ腸管粘膜肥満細胞のトリプターゼ(gMCT)のcDNAクローニングに成功した。cDNAは810bpのオープンリーディングフレームを有し全長1219bpであった。gMCTのmRNAの発現をスナネズミの組織別に見ると、腸管粘膜に最も多く、皮膚や舌の筋肉中には非常に少なかった。
上述のようにS.papillosusやS.ransomiの排除には肥満細胞以外の別の機構が介在している可能性が示唆された。我々の今までの研究結果からネズミ糞線虫もハムスターから排除されるときには杯細胞のムチンにより排除され得ることが解っている。このように、同種の寄生虫でも宿主が異なるとエフェクターが本来と異なる利用のされ方をする可能性があることから、今回のように通常の宿主-寄生虫の組み合わせ以外の寄生虫を移入した場合、宿主が別の機構を動員して寄生虫を排除している可能性が考えられる。したがって、肥満細胞以外に杯細胞の数的変化はもちろんムチン糖鎖の変化を見ることによってマウスの粘液による防御にもラットと同じく多様性を見つけることができるかもしれない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 堀井洋一郎 他: "寄生虫感染と免疫" 臨床免疫. 27. 718-728 (1995)

  • [文献書誌] MURAKUMO,Yuko: "Cloning of the cDNA encoding mast cell tryptase of Mongolian gerbil,Meriones unguiculatus,and its preferential expression in the intestinal mucosa" Biochemical Journal. 309. 921-926 (1995)

  • [文献書誌] ITO,Hiroshi: "Cloning of the cDNAs for mast-cell chymases from the jejunum of Mongolian gerbils,Meriones unguiculatus,and their sequence similarities with chymases expressed in the connective-tissue mast cells of mice and rats" Biochemical Journal. 314. 923-929 (1996)

  • [文献書誌] 堀井 洋一郎 他: "ヒトと動植物のディフェンス・・・・功名な異物との戦い" 菜根出版, 288 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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