研究概要 |
1.ブドウ球菌エンテロトキシン(SE)Aペプチドによる抗原解析 SEAは単純タンパク質であり、本毒素のアミノ酸配列(N末端)に従ってアミノ酸20個からなるペプチドSEA-No.1〜12およびSEA〜Eまで共通の生物活性部位と推定されているペプチドSE-act、計13種を合成し、これらのペプチドをウサギに注射して、抗ペプチドNo.1〜12および抗ペプチドSE-actの作製を行なった。さらに、抗体産生が見られた抗ペプチドはアフィニティークロマトグラフィーにより、抗ペプチド-IgGを精製した。ペプチドSEA-NO.11およびNO.12を除く、殆どのペプチドが抗体産生を示した。また、ペプチド(NO.5,6,SE-act)は正常ウサギIgG(10-100μg/ml)に対し、非特異的に反応した。抗ペプチド抗体とSEAの反応性については、抗ペプチドによって大きな差が見られ、特に抗ペプチドNo.1,5,8はSEAに対し高い反応性を示すことがわかった。 2.セレウス菌嘔吐毒の精製とスンクスによる催吐活性 セレウス菌の産生するHEp-2空胞化変性活性物質を有機溶媒抽出、シリカゲルクロマトグラフィーおよび液体クロマトグラフィーにより精製した。精製標品および一部精製品についてスンクスに対する催吐活性を調べた結果、スンクスへの経口投与により4,000〜8,000U(4-8μg)/匹で、腹腔内投与では1,000〜2,000U/匹により嘔吐を示した。また、スンクスの腹腔内投与では致死活性を示した。そこで、マウス致死活性についても調べた結果、尾静脈投与ではLD_<50>707U、腹腔内投与では926Uであった。
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