研究概要 |
ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)分子上のIFN-γ産生誘導活性部位を解析する目的で、合成ペプチドおよび各抗ペプチド血清を用いて検討し、以下の結論を得た。 1.IFN-γ産生量はSEA(50〜5×10^<-6>μg/ml)に対し、濃度依存性が見られた。また、IFN-γの産生量は1〜3日間培養で経時的増加し、IFN-γ産生量は三日目に最高(1330pg/ml)に達した。 2.SEAに対して合成ペプチドA-9は競合抑制が見られ(500μg/ml)で68〜80%,、100μg/mlで45〜62%抑制)、その抑制はペプチド量と相関していた。 3.SEAのIFN-γ産生誘導に対する抗SEA血清の中和活性について、IFN-γ産生抑制率は抗SEA血清力価に依存性が見られ、SEAのIFN-γ産生誘導活性に対して、抗SEA血清は十分な中和活性を持っていることが明らかになった。 4.SEAのIFN-γ産生誘導に対し、抗ペプチドA-9,A-1血清が最も高く、その抑制率50〜56%であった。なお、抗ペプチドA-7およびA-8血清も30〜40%の抑制率を示したが、その他の抗血清は有意な中和活性は示さなかった。 以上の結果から、SEAのIFN-γを誘導産生する活性部位としては、SEAのN-末端から161〜180個のアミノ酸配列を示す部位であると考えられる。
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