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1996 年度 実績報告書

パルスフィールド電気泳動法による動物病原ブドウ球菌の分子疫学

研究課題

研究課題/領域番号 07660419
研究機関神戸大学

研究代表者

河野 潤一  神戸大学, 農学部, 助教授 (40127361)

研究分担者 清水 晃  神戸大学, 農学部, 教授 (50031224)
キーワードパルスフィールド電気泳動 / ブドウ球菌 / 染色体DNA / Staphylococcus hyicus / Staphylococcus intermedius / 病原性
研究概要

動物に病原性を示すS.hyicusとS.intermediusは健康な動物にも広く分布するため、これらの感染症の疫学解析には病原株と非病原株の識別が必要である。本研究は、パルスフィールド電気泳動法(PFGE)によるDNA解析が2菌種の病原株と非病原株を識別するのに応用できるか否かを検討した。平成8年度は平成7年度に引続きパルスフィールド電気泳動法(PFGE)によって得られた菌株間の泳動パターンについて病原株と非病原株の詳細な比較検討を行った結果、豚由来S.hyicusでは病原株について90%の菌株が特定の泳動パターン示したのに対し非病原株では比較的多型性であった。病原性を規定する特定の遺伝子断片を特定することはできなかったが、PFGEによるDNA解析によってS.hyicus病原株の遺伝子型の識別は可能となった。しかし、非病原株からも一部病原株の遺伝子型が見いだされ本菌感染症の発病には菌側のみではなく、宿主側の要因も関連することが明らかとなった。菌体外発現タンパクの解析を行ったところ、病原株では特定のタンパクの発現量が著明であったのに対し、非病原株のそれは検出率も低く発現量も少なかった。本タンパクは分子量からS.hyicusの病原因子の一つと考えられているshETと推定されるが、同定は今後の課題となった。本タンパクは発現量が病原性に関与するものとも推察され、その構造遺伝子を特定することのほか調節機構が重要と思われた。一方、S.intermediusでは菌種内において遺伝子型がきわめて多様であり、PFGEによる病原性識別はできないと結論される。マウス感染モデル系を用いた両菌種各株の病原性解析では病原株と非病原株の識別すわなち疾病および健康の由来に基づく区別は困難であった。この結果は両菌種感染症の発病機構における宿主側の要因の重要性を強く提示することとなった。
PFGEレベルにおける両菌種の病原性解析は本研究をもって十分と結論される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Akira Shimizu: "Genomic DNA fingerprinting,using pulsed-field gel electrophoresis,of Staphylococcus intermedius isolated from dogs" American Journal of Veterinary Research. 57・10. 1458-1462 (1996)

  • [文献書誌] Akira Shimizu: "Pulsed-field gel electrophoresis of Staphylococcus hyicus and Staphylococcus chromogenes genomic DNA and its taxonomic,epidemiologic and ecologic applications in veterinary medicine" Journal of Veterinary Medical Science. (印刷中).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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