研究課題/領域番号 |
07660435
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉岡 まり子 京都大学, 農学研究科, 助手 (30220594)
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研究分担者 |
白石 信夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (70026508)
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キーワード | セルロースアセテート / アセチル化木材 / 二塩基酸無水物 / モノエポキシド / メタクリル酸エステル / 混練 / 生分解性 / 可塑化 |
研究概要 |
セルロースアセテート(CA)およびセチル化木材を二塩基酸無水物/モノエポキシドとともに混練処理すると、その残存水酸基に可塑剤が逐次エステル結合し、オリゴエステル(OE)鎖がグラフトされる結果となり、効果的に内部可塑化が行われることが確認された。また、その反応はCAの置換度、可塑剤の種類、配合比、混練時間などに大きく影響されることが知られた。他方で、このとき系中には未反応モノマーや可塑剤同士のみの反応により精製するホモオリゴマーも存在することが確認された。これらはCAの外部可塑剤として働き可塑化効果を高める一方で、成形物に見られるブリードアウト等の原因にもなっていた。この問題への対応策として効果的なOE鎖のグラフト(量および鎖長)が意義があることが明らかになった。さらに、グラフトが不十分な場合でも、メタクリル酸エステル等を固定化試薬として配合することにより、可塑剤の種類や成形条件を選ぶことで良好な結果が得られた。試料の生分解性を検討するため、30℃、相対湿度80%の恒温恒湿室において混練物の熱圧成形シートの土中埋没試験を行った。結果として、反応性可塑剤の分子量が小さいほど、フェニル基や二重結合を含むよりは単結合、直鎖状のものが、また、デンプンを含む場合、その含有率が大きいほど生分解が迅速に進むことが知られた。なお、今回の試験では、非生分解性対照試料としてポリプロピレンおよび高密度ポリエチレンを用い、当該サンプルには、置換度1.7のCAをマトリックスポリマーとして用いたが、2年間の試験期間において、対照試料が全く分解しなかったのに対し、当該諸サンプルは、上記の傾向に従い外観の変化、重量減少が進み、2年以内に全て埋没場所から姿を消した。
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