消化管セロトニン含有細胞の機能的役割の解明

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07670011
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 研究機関: 滋賀医科大学
• 研究代表者: 藤宮 峯子 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)
• 研究分担者: 奥宮 清人 高知医科大学, 医学部, 助手 (20253346) ; 徳永 義光 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90263037)
• キーワード: セロトニン / 外分泌 / 腸管 / 免疫電顕

研究概要

平成7年度の研究で、腸管の内圧亢進がEC細胞からの5HTの分泌刺激になることが判明した。またこの際、管腔中に分泌される5HT量が著明に上昇することがわかった。平成8年度は以上の成果をふまえ、内圧亢進刺激を作用させた際のEC細胞における5HTの細胞内局在をイムノゴールド法を用いた免疫電顕で観察し、以下の結果を得た。対象群においては、セロトニンの局在を示す金粒子は、基底部と管腔側細胞質に分布する分泌顆粒の芯に一致して局在するが、内圧亢進刺激を与えた細胞では、金粒子の局在は次のように変化した。軽度刺激群では、管腔側分泌顆粒の芯の電子密度が減弱し、金粒子の反応は顆粒外の細胞質にびまん性に観察された。高度刺激群では、EC細胞自体の変化、すなわち細胞の管腔への張り出し、管腔側細胞質における分泌顆粒の膨化や空洞化が観察され、金粒子の反応は膨化した顆粒の芯に一致するか、または顆粒外の細胞質にびまん性に集積するのが観察された。

研究成果

• [文献書誌] K.Okumiya,K.Matsubayashi T.Maeda,M.Fujimiya: "Change in subcellular Localization of Gastrin-Like Immunoreactivity in Epithelial Cells of Rat Duodenum induced by Carbachol" Peptides. 17. 225-232 (1996)
• [文献書誌] M,Fujimiya,K.Okumiya T.Yamane,T.Maeda: "Distribution of serotonin-immunoreactive nerve cells and fibers in the rat gastrointestinal tract" Histochemistry and Cell Biology. (in press). (1997)
• [文献書誌] M,Fujimiya,Y.N.Kwok: "Effect of carbachol on vascular and luminal release of Immunoreactive gastrin from isolated perfused rat Duodenum" Digestive Diseases and Sciences. (in press). (1997)
• [文献書誌] M.Fujimiya,K.Okumiya,A.Kuwahara: "Immunoelectron microscopic study for luminal release of serotonin from rat enterochromaffin cells induced by high intraluminal pressure" Histochemistry and Cell Biology. (in press). (1997)
• [文献書誌] 藤宮峯子、山本育男、桑原厚和: "ラット十二指腸灌流法による血液中および管腔中へのセロトニン分泌の研究-特に腸管内圧亢進の両分泌に与える影響について-" 消化管ホルモン(XIV). 14. 70-75 (1996)