研究課題/領域番号 |
07670017
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
福本 哲夫 山口大学, 医学部, 教授 (00040171)
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研究分担者 |
窪田 信子 山口大学, 医学部, 助手 (70227578)
澤田 知夫 山口大学, 医学部, 講師 (90187295)
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キーワード | 再生胸腺 / モノクローナル抗体 / 免疫組織化学 / 血管構築 / 胸腺上皮細胞 |
研究概要 |
哺乳類における造血巣は卵黄嚢→胎児肝臓と移動する。このような造血巣の移動がなぜおこるかについては、充分には解明されていない。我々はラットの胎仔の肝臓における造血機構について解明してきた。その結果、造血を支える基本要素である造血支持細胞の造血支持能の変化(胎仔肝臓では肝実質細胞の変化)が重要であることを報告した。一方、胎仔肝や骨髄での造血に限らず、たとえば射線照射を受けたラットの胸腺がその同じ胸腺の位置で急速に再生して来る場合についても胸腺細胞造血(Tリンパ球産生)を支える支持細胞の造血支持能の変化が重要であることを観察し報告してきた。そこで今年度は主として放射線照射後に、急速になされる胸腺細胞増殖について究明し以下の点を明らかにした。 1)放射線量が600rad(6Gy)の致死量以下の線量照射後に急速に回復してくる胸腺での血管構築を血管にスミを注入して観察した。照射後3日目頃までには血管はど帳し、皮質の独特の細かな走行は乱れるもののその血管の基本的構築は保たれており、そのことが照射後わずか数日でもとの胸腺組織に近い構造(皮質と髄質の境界が明確化)に戻るうえで重要な役割をになっていると考えられた。 2)照射後に残って再生してくる胸腺にみられる上皮性細網細胞の造血支持能力の変化(増強)が急速な再生と深くかかわっていると考えられた。今年度は以上の点をまとめて更に過去3年間に得た結果と合わせて研究成果報告書とした。
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