研究概要 |
胚中心リンパ球のアポトーシス回避関連タンパクBcl-2の発現に影響をもつかもしれない濾胞樹状細胞のEmperipolesis能を研究の当初はTrue emperipolesis法で同定を試みたが、この実験方法では混合培養後のリンパ球を回収するのが極めて困難なので、途中からPsuedoemperipoleis法に変更した.また、アポトーシス誘導関連タンパクFasを含めた両面から総合的に胚中心内のアポトーシスを新たに探ろうと研究規模を拡大したので、研究成果を最終的にまとめるのが大幅に遅れてしまった。研究成績は次の三点に要約された。 1 培養濾胞樹状細胞に包み込まれたBリンパ球は少なくとも18時間はアポトーシスから完全に回避された。これゆえにわれわれの実験時間帯に誘導されるBリンパ球の生活反応はin vivoのそれに準ずるものであることが証明された。 2 濾胞樹状細胞に包み込まれることによってgerminal center founder cells(lgD+,CD38+)とgerminal center B cells(lgD-,CD38+)はFasのup-regulationが誘導された。 3 濾胞樹状細胞と密に接触することによってmantle zone B cells(lgD+,CD38-)とmemory B cells(lgD-,CD38-)はBcl-2のdown-regulationが誘導された。 以上より、濾胞樹状細胞はそれが形成している胚中心の微小環境で胚中心のBリンパ球をPro-apopticな状態にすることで胚中心Bリンパ球の選択を容易にしていることが強く推定された。このことは濾胞樹状細胞のまったく新規のアクセソリー機能だあることが判明した.
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