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1995 年度 実績報告書

ヒト各種細胞におけるテロメア配列の変動とその核内分布の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07670039
研究種目

一般研究(C)

研究機関東京農工大学

研究代表者

神田 尚俊  東京農工大学, 農学部, 教授 (40075429)

キーワードテロメア / テロメレース / FISH
研究概要

(1)テロメレース遺伝子の分離を目的に、ヒト各種細胞を用いて、テロメレースの発現をトラップアッセイ法で調べた。その結果、テロメア配列の短小化を示した8例の白血病細胞株中の1例でテロメレースの発現が著しく亢進していることが明らかになった。このT細胞由来の腫瘍細胞では正常リンパ球に対しそのテロメレース活性は約100倍増大していた。この細胞の大量培養によって、テロメレース蛋白の分離を試みたが、分析に必要な十分量の酵素単離には至らなかつた。テロメレースの単離はまだどの研究室でも成功していないが、少なくとも500lレベルの大量培養が必要であると推定された。そこで方針を変更し、ヒト末梢血リンパ球をPHAとインターロイキンIIで刺激するとテロメレース活性が増大することから(約10倍)、正常リンパ球より、テロメレース遺伝子を直接分離することにした。現在、PHA^+インターロイキンでテロメレースの発現が誘導された細胞と、PHA^-、インタークエロン^-で2日間培養した細胞のcDNAより、サブトラクション法によってテロメレース遺伝子DNAの単離を試みている。正常リンパ球に誘導されるテロメレースの発現は腫瘍細胞ほど高くないが、細胞分裂の開始によって発現が誘導される他の遺伝子のサブトラクションは、腫瘍細胞を用いる場合より厳密に出来ると期待される。
(2)SV40で不死化したヒトの培養線維芽細胞ではテロメア配列の伸長がサザンブロットで観察されるが、蛍光in situハイブリッド法(FISH)によってテロメア配列の伸長は局所的に起こっていることが明らかとなった。従ってFISH法により、静止核で正常の10倍以上あるテロメア配列のスポットが、又中期の染色体一対に大きなテロメア配列を示すスポットが観察され、テロメア配列の局所的増幅が明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 神田尚俊: "遺伝子診断の基礎" 小児神経学の進歩. 24. 146-154 (1995)

  • [文献書誌] 神田尚俊・金子安比古: "神経芽腫とN-myc増幅" 医学のあゆみ. 173. 227-229 (1995)

  • [文献書誌] 地曵和子・小田桐恵美・神田尚俊・相川英三: "乳癌におけるc-erbB-2蛋白測定の意義:c-erbB-2mRNAとの比較" 癌の臨床. 41. 773-780 (1995)

  • [文献書誌] 本多祥子・神田尚俊・押味蓉子・宮崎俊一: "Fas抗原誘導性のアポトーシスにおけるクロマチンDNA断片化部位-各種反復配列に対する特異的プローブを用いた解析-" 血液・腫瘍科. 32. 177-184 (1996)

  • [文献書誌] NoguchiT.,AkiyamaK.,YokoyamaM.KandaN.,MatsunagaT.and Nishi: "Amplification of a DEAD box gene (DDXI)with the MYCN gene in neuroblastomas as a result of cosegregation of sequences flanking the MYCN locus" Genes,Chromosomes & Cancer. 15. 129-133 (1996)

  • [文献書誌] InoueA., HasanZ.,HemmiH.,KandaN.,HayashiY.,IshizawaT.TsuchiyaY.and ShimatakeH.: "Competitive polymerase chain reaction for the quantification of N-myc gene copy number in neuroblastoma" Tumor Biology. (in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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