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1997 年度 実績報告書

ヒト各種細胞におけるテロメア配列の変動とその核内分布の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07670039
研究機関東京農工大学

研究代表者

神田 尚俊  東京農工大学, 農学部, 教授 (40075429)

キーワード染色体 / テロメア / テロメア配列 / テロメレース / FISH
研究概要

直鎖DNAをゲノムとする広範な生物種の染色体末端は(TTAGGG)_nのテロメア配列で構成され、正常体細胞では細胞分裂の度に短小化することが知られている。しかし、生殖細胞や腫瘍細胞ではテロメア配列の短小化を防ぐためテロメレース遺伝子が活性化し、テロメア配列を伸長させている。本研究ではヒト線維芽細胞とその変異株、および腫瘍細胞についてテロメア配列の短小化の程度、テロメレース酵素活性を調べ、テロメア配列の変動とテロメレース酵素活性の変化がどのような生物学的意味を持つか検討した。正常線維芽細胞3株と、これらをウイルスSV40、またはコバルト照射によってトランスフォームした細胞株、および血液腫瘍細胞7株、N-myc増幅型神経芽細胞13検体についてテロメア配列の長さ、テロメレースの活性、テロメア配列の核内、染色体内分布を調べた結果以下の点が明らかになった。
1)SV40やコバルト照射でトランスフォームした細胞株では3株すべてにテロメア配列の顕著な伸長が観察された。しかし、テロメレース酵素活性はほとんど検出されずテロメレースに依存しないテロメア配列の伸長があったことを示唆している。
2)これらの細胞の染色体、細胞核について蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を行った結果、テロメア配列の伸長が一部の染色体の末端で局所的に発生していることが明らかになった。テロメア配列の局所的増幅は静止核においても確認された。
3)血液腫瘍細胞、N-myc増幅型神経芽細胞腫では全例でテロメア配列の短小化とテロメレースの活性が観察された。しかし染色体、核にはテロメア配列の局所的増幅は見られず、SV40やコバルト照射でトランスフォームした細胞では腫瘍細胞とは異なる機構で無限増殖能を獲得していることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tohru Noguchi: "Amplification of a DEAD box gene(DDXI)with the MYCN gene in neuroblastomas as a result of cosegregation of sequences Franking the MYCN Iocus" Genes,Chromosomes and Cancer. 15. 129-133 (1996)

  • [文献書誌] Akira Inoue: "Competitive polymerase chain reaction for the quantification of N-myc gene number in neuroblastomas" Tumor Biology. 17. 262-270 (1996)

  • [文献書誌] Osamu Takeda: "An incereased NM23H1 copy number may be a poor prognostic factor independent of LOH on 1p in neuroblastomas" British J.Cancer. 74. 1620-1626 (1996)

  • [文献書誌] Naoko Nishikawa: "Enrichment of oligo(dG)/oligo(dC)-containing fragments from human genomic DNA by Mg2+-dependent triplex affinity capture" Nucleic Acid Res.25. 1701-1708 (1997)

  • [文献書誌] Yukiko Shimada: "Cell cycle-dependent activation of telomerse in naturally synchronized culture of a trueslime mold,physarum polycephalum" Biochem.Biophy.Res.Comm.232. 492-496 (1997)

  • [文献書誌] Sayuri Motomura: "inhibition ofP-glycoprotein and recovery of drug sensitivity of human acute leukemic blast cells by multidrug resistance gene(mdr1)antisense oligonucleotides" Blood. (発売予定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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