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1996 年度 実績報告書

サル網膜における色覚経路の連続切片電顕法と酵素組織化学による研究

研究課題

研究課題/領域番号 07670042
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

塚本 吉彦  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20104250)

研究分担者 野口 光一  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10212127)
キーワードサル / 霊長類 / 網膜中心窩 / 電子顕微鏡 / 錐体視細胞
研究概要

1)カニクイザルの網膜中心窩の連続超薄切片の解析から、錐体視細胞小足における双極細胞とのシナプス結合を調べた。ON型双極細胞は陥入型シナプスをもつと見なされていたが、基底型シナプスも存在することを明らかにした。中心窩では空間が狭いので充分な数のリボンシナプスがないためと考えられる。2)サル網膜中心窩の錐体視細胞間にあるギャップ結合の分布をわれわれは以前に明らかにした(Vision Res.1992)。もっとも解像力の良い所に、解像力を損なうはずのギャップ結合が発達している理由を、雑音低減の観点からさらに検討した。3)サル網膜の色覚経路に水平細胞がどのように関与するか、を調べるために、HI型とHII型の水平細胞を立体構築した。HI型は7、8個の赤および緑の錐体視細胞との間に約40個のシナプスをもつ。HII型は赤と緑だけでなく青錐体からも入力を受けることが特徴であり、受容野が比較的広い。4)ニホンザルの網膜の側頭側3.5mmに分布する錐体と杆体の両型視細胞の軸索とシナプス終末部を形態的に比較した。錐体は直径1.7μmの軸索、32個のシナプスリボンをもつのに対し、杆体はそれぞれ0.5μm,1個であった。軸索の太さとシナプス数は相関する。これはシナプス小胞の膜の軸索輸送に関連したシステム設計の実例だと推察される。5)当初に計画した、赤色光による照射とNTBを用いる酵素組織化学で赤錐体を特異的に標識する、という方法は、1977年のScience論文に基づく。日本でも魚網膜に適用された例があり、積極的な結果が出ている。しかし、この方法は再現性がよくない。最近、細胞内情報伝達系の一つとして、一酸化窒素(NO)が脚光をあび、その存在が脊椎動物網膜の視細胞内節で証明されている。NOの活性を組織化学的に調べるのにNTBを使うことから、以前の実験結果がNOと関連しているかも知れない。十分な方法論の検討が必要なため、今回は実施を見合わせた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tsukamoto Y.: "Functional significance of gap junctions between cone photoreceptors in the fovea of primate retinas" Progress in Cell Research. 4. 265-268 (1995)

  • [文献書誌] Calkins DJ,Tsukamoto Y,and Sterling P: "Foveal cones form basal as well as invaginating junctions with diffuse ON bipolar cells" Vision Research. 36. 3373-3381 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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