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1995 年度 実績報告書

ドーパミン作動性反回入力の興奮性および抑制性入力応答との細胞内クロストーク

研究課題

研究課題/領域番号 07670047
研究種目

一般研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

鍋倉 淳一  九州大学, 医学部, 助教授 (50237583)

研究分担者 堀本 直幹  秋田大学, 医学部, 講師
小川 哲朗  秋田大学, 医学部, 教授 (80004555)
キーワードラット / 黒質 / 神経トレーサー / ドーパミン / 抑制性アミノ酸 / ノルアドレナリン / 蛋白燐酸化酵素
研究概要

研究初年度である本年度、親脂質性神経トレーサーを利用して、線条体に実際に投射する黒質内ドーパミン細胞を同定する。そのうえで、この同定した細胞において、ドーパミン受容体活性化に連動する細胞内諸伝達物質と、NMDAや抑制性アミノ酸に対する受容体応答とのクロストークを調べることを目的とした。
結果:麻酔下においてラット線状体に逆方向性親脂質性神経トレーサー(Di-1)を注入し、2日後に脳をかん流固定し、脳薄切片作製後、TH染色を行なった。その結果、黒質においてDi-1含有細胞の97%がTH染色陽性であった。以上から、黒質における線状体に投射するドーパミン細胞を逆方向性トレーサーで染色同定可能であることが判明した。トレーサー注入ラットから黒質神経細胞を急性単離し、トレーサー含有神経細胞(ドーパミン細胞)に対し、ニスタチン穿孔パッチクランプ法を適用し、DAおよびGABA応答を観察した。その結果、すべての細胞において著名なGABA_A受容体およびグリシン応答電流が観察された。しかし、ドーパミンに対しては、約8%の細胞においてのみカリウム電流の増大を伴う微弱な電流応答が観察されたにすぎなかった。約半数(12/25)のドーパミン細胞において、ドーパミン投与によってGABA応答の増強が、また92%の細胞においてノルアドレナリンによるグリシン応答の増強が観察された。一方、NMDA受容体応答に対しては、ドーパミンは殆ど修飾作用を示さなかった。ノルアドレナリンによるグリシン応答の増強は、アルファ1受容体を介するプロテインキナーゼCおよびアルファ2受容体を介するプロテインキナーゼAが関与していることが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Junichi Nabekura: "Colocalization of ATP and nicotinic ACh receptors in the identified vagal preganglionic neurone of rat." Journal of Physiology. 489. 519-527 (1995)

  • [文献書誌] Junichi Nabekura: "Heterogeneous development of voltage dependency of NMDA receptor-mediated response in central nervous system" Neurobiology. (in press). (1996)

  • [文献書誌] Hiroshi Hamano: "Docosahexaenoic acid reduces GABA response in substantia nigra neuron of rat" Journal of Neurophysiology. (in press). (1996)

  • [文献書誌] 鍋倉淳一: "視床下部および辺縁系におけるステロイドホルモンの興奮性調節機構" ホルモンと臨床. 43. 43-44 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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