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1995 年度 実績報告書

giant Patch法によるNa-Ca交換蛋白のイオン交換機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07670053
研究機関京都大学

研究代表者

松岡 達  京都大学, 医学研究科, 助手 (00263096)

キーワードNa^+-Ca^<2+>交換 / 心臓 / 不活性化
研究概要

Na^+-Ca^<2+>交換蛋白の細胞質側に存在すると考えられているループには塩基性アミノ酸が多く集まるXIP(eXchanger Inhibitory Peptide)領域が存在する。XIP領域のアミノ酸配列はNa^+-Ca^<2+>交換蛋白の3つのサブタイプ間でよく保存されており、Na^+-Ca^<2+>交換機能に重要な役割を担うと推測される。またXIP領域に相当するペプチドはNa^+-Ca^<2+>交換活性を抑制することが知られている。このXIP領域の機能を調べる目的で、犬心臓由来のNa^+-Ca^<2+>交換蛋白(NCX1)のXIP領域(アミノ酸219-238)に部位特異的変異を導入した。そしてアフリカツメガエルの卵母細胞にNCX1蛋白を発現させ、その活性をinside-out giant membrane patch法を用いて電気生理学的に解析した。
XIP領域の変異体のうち、特に229-232領域の変異体の大部分においてはNa^+依存性不活性化過程が観察されなかった。つまりwild typeにおいては細胞質側のNa^+で活性化された外向きNa^+-Ca^<2+>交換電流は時間とともに減衰する。しかし229-232領域の変異体の大部分においては時間依存性外向き電流の減衰がなく、Na^+依存性不活性化が欠如していた。これらの変異体においてNa^+依存性、Ca^<2+>による活性化、膜電位依存性はwild typeと比べ明らかに違いがなく、Na^+依存性不活性化のみが欠如すると考えられた。
223-225領域の変異体においては、Na^+依存性不活性化は存在するが、Ca^<2+>によるNa^+依存性不活性化の抑制が著しく低下していた。このことからCa^<2+>によるNa^+依存性不活性化の調節がこの部位と関連すると推測された。
今後は、膜貫通領域の構造機能相関を調べ、Na-Ca交換蛋白のイオン交換機転を分子レベルでさらに明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Satoshi Matsuoka: "Multiple functional states of the cardiac Na^+-Ca^<2+>exchanger: whole-cell, native-excised, and cloned-excised properties." Annals of the New York Academy of Sciences. 779. in press (1996)

  • [文献書誌] Satoshi Matsuoka: "Regnlation of the cardiac Na^+-Ca^<2+>exchanger by Ca^<2+>. Mutational analysis of the Ca^<2+>-binding somain." Journal of General Physiology. 105. 403-420 (1995)

  • [文献書誌] Satoshi Matsuoka: "Ca^<2+>regulation of cardiac wild-type and mutant Na^+-Ca^<2+>exchangers." Heart and Vessels. Suppl.9. 159-160 (1995)

  • [文献書誌] 松岡 達: "細胞外へのCa^<2+>排出機構" Clinical Neuroscience. 14. 161-163 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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