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1995 年度 実績報告書

平滑筋細胞膜内表面結合Caによる収縮調節機構の凍結切片-元素分析法による解析

研究課題

研究課題/領域番号 07670063
研究種目

一般研究(C)

研究機関帝京大学

研究代表者

鈴木 季直  帝京大学, 医学部, 助教授 (10082174)

研究分担者 柴山 理恵  帝京大学, 医学部, 講師 (60147072)
キーワード平滑筋 / 細胞膜内表面結合Ca / 筋収縮調節機構 / 凍結切片-元素分析法 / Ca結合タンパク質
研究概要

平成7年度の目標は、平滑筋の収縮調節機構解明のため、イガイ前足糸牽引筋(ABRM)を用いて筋収縮をひきおこすactivator Caが形質膜内表面に局在することと筋収縮にともなう細胞内Ca分布変化を凍結切片-元素分析法により明らかにすることであった。Ca-free溶液中の静止状態で急速凍結されたABRMの凍結切片を-130℃に冷却しながら電顕下で観察し、形質膜内表面、その近傍の筋形質部、細胞外に収束ビームをあてて、X線マイクロアナリシス(点分析)を行なった。細胞外分析で得られたX線スペクトルをバックグランドとして処理し、形質膜内表面と筋形質部から得られたX線スペクトルの3690eVのCa-Kαピーク強度をもとに定量計算されたCa量はそれぞれ2.35および0.42mmol/kg dry wtであった。この結果は、細胞化学法により示唆されていた形質膜内表面にCaが局することを生きている細胞に近い状態で直接的に示すものである。形質膜内表面に沿って連続的に点分析を行なうことにより二次元的な形質膜内表面Ca分布も確認された。この二次元的なCa分布をより直接的に示す方法としてエネルギーロス分光分析によるイメージマッピング法があり、ピロアンチモン酸法で固定したABRMの樹脂包埋切片で形質膜内表面Ca局在を示唆するイメージマップが得らた。しかし、エネルギーロス分光分析に必要とされる厚さ30nm程度の超々薄凍結切片の作製は容易でない。そこで、本年度設備備品で購入し部分的に改良したイオンコーターで通常の厚さ(70〜100nm)に薄切した切片をイオンエッチングで薄くする方法を開発し、樹脂包埋切片ではエッチングの時間に比例した切片切削が可能になった。今後凍結切片でこれを試みる予定である。筋収縮にともなう細胞内Ca分布変化についてはK-拘縮時の凍結切片で同様の点分析を行ない細胞各部のCa量変化について現在解析中である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 鈴木季直: "骨格筋の興奮収縮連関" 電子顕微鏡. 30. 74-78 (1995)

  • [文献書誌] Sugi, Haruo: "Localization of activator calcium at the plasma membrane in smooth muscle" Calcium as Cell Signal, K. Maruyama et al. (eds) Igaku-Shoin. 125-132 (1995)

  • [文献書誌] Popov, Viktor I.: "Do vertebrate thick filaments contain a core? Observations using ultrathin sectioning and freeze-etching" J. Electron Microsc.44. 436-444 (1995)

  • [文献書誌] Suzuki, Suechika: "Electron microscope studies on cross-bridge configuration in the glycerinated single skeletal muscle fibers following the hydrolysis of a stoichiometric〜" J. Muscle Res. Cell Motil.16. 341 (1995)

  • [文献書誌] Suzuki, Suechika: "Cross-bridge configuration changes induced by one hydrolysis cycle of photoreleased ATP in the skeletal muscle fibers" J. Electron Microsc.44. 262 (1995)

  • [文献書誌] Suechika, Suzuki: "Electron microscope studies on the reguratory mechanism of smooth muscle contration activated by Ca ions released from the inner surface of plasma membrane" Jap. J. Physiol.46(予定). (1996)

  • [文献書誌] 鈴木 季直: "ハンドブック・生物学データ集" 朝倉書店(中村裕昭他編)(予定), (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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