研究課題/領域番号 |
07670079
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
紫藤 治 金沢大学, 医学部, 助教授 (40175386)
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研究分担者 |
本間 研一 北海道大学, 医学部, 教授 (40113625)
田辺 実 金沢大学, 医学部, 助手 (20217110)
杉本 直俊 金沢大学, 医学部, 助手 (80272954)
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キーワード | 適応 / サーカデイアンリズム / 熱 / 体温調節 / テレメトリー |
研究概要 |
中性温域で飼育するラットにおいて、一日の内一定の時間帯(例えば暗期後半の約5時間)のみ33℃の高温環境に置く暑熱負荷を5日間以上繰り返し、これに馴化させると、その後、ラットの深部体温や自発行動の日内変動パターンが変化し、かつての暑熱負荷時間帯に一致して体温が下降し行動量が減少する。一方、哺乳類の深部体温、摂食・摂水行動などには日内リズムが存在し、囓歯類では視交叉上核がそれらリズム発現の中枢であるとされる。本研究は、かつての暑熱負荷時間帯に起こる深部体温や行動量の変化に視交叉上核が関与するか否か検討した。 ウイスター系雄ラットをペントバルビタールにて麻酔し、その腹腔内にバイオテレメトリー用の温度トランスミッターを留置した。1週間の回復を待った後、ラットを環境温24℃、恒明条件下で飼育した。3週間後、すべてのラットで腹腔内温、自発行動量のサーカデアンリズムの消失を確認した後、一日一定時間に限る暑熱暴露を開始した。暑熱暴露(環境温32℃)は1500〜2000時の約5時間とし、これを2週間継続した。暑熱暴露期間終了後は環境温を24℃に維持した。暑熱暴露中、ラットの腹腔内温は上昇し、自発行動量は減少した。暑熱暴露期間終了後、ラットの腹腔内温、自発行動量とも、かつての暑熱暴露時間帯である1500時から2100時の間で低下した。この変化は、以後約24時間の周期で継続した。これら結果から、一日の内一定の時間帯のみ高温環境に暴露され、これに馴化したラットで観察されるかつての暑熱負荷時間帯に一致した深部体温や行動量の変化は視交叉上核に依存しない可能性が推察された。
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