研究概要 |
実験動物:冬眠動物(Syrian hamster)と非冬眠動物(Wistar rat,Pika) 手術:実験動物は麻酔下で,血圧測定用の血管カテ-タを右大腿動脈より挿入する。筋電用針電極を頚背部の頭板状筋へ刺入固定する。さらに,心電用ワイヤー電極を右前肢・左後肢の皮下に留置する。 寒冷刺激:環流型温度プレートの水流温度変化により,体温を段階的に低下させる。 測定項目:筋電・心電・血圧の波形を測定しデータ・レコーダに収録,且つ波形解析を行う。直腸温・腹腔内温・肩甲骨間褐色脂肪組織温・皮下温を,サーミスタ温度計にて測定しデータ解析温度へ収録しデータ解析を行う。心拍動画像:実験動物の第3〜5肋間(個体差により最良の測定位置は異なる)に超音波探触子(超音波送受信器)を装着し,心臓の拍動画像を超音波断層装置(Bモード,Mモード)で測定しビデオに録画する。録画された心臓の画像は,画像解析装置にて解析を行う。 [結果]低体温誘発により短時間ではあるが非冬眠動物の15〜18℃に比べ冬眠動物では夏期の非冬眠時でも、冬眠字の自発的低体温(5〜8℃)に近い有意な寒冷耐性を有する結果が得られた。Wistar ratでは23℃から、Syrian hamsterでは11℃から心筋の変位速度が著明に低下した。この結果から、非冬眠動物に比べ冬眠動物の心機能は有意な寒冷耐性を有している。現時点では、詳細なデータの解析を行っている段階である。
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