研究概要 |
本研究では,冬眠動物(Syrian hamster)を急性寒冷暴露により、低体温(深部温8℃)を誘発する過程で、心機能の温度特性について超音波断層装置(Bモード,Mモード)を用い、心拍動画像のから検討した。対照群として非冬眠動物(Wistar rat)について同様の実験結果から比較した。 寒冷暴露初期の正常体温および体温低下初期では、寒冷ふるえ(Shivering)による影響により、鮮明な心拍動画像が得られなかった。更に急性寒冷暴露を持続した結果、心電図上,非冬眠動物で深部温19℃で完全房室ブロックが観察されたが,冬眠動物では,深部温10℃でPQ間隔が長くなる第一度の房室ブロックが認められただけである。更に、非冬眠動物では、腹腔内温が18.11±0.83℃で心電波形が消失した。しかし、冬眠動物では7.22±0.31℃の低体温まで、同現象は観察されなかった。 心拍動の超音波断層画像(Bモード)においては、非冬眠動物では21.8℃以下になると、左心室の心筋の動きが緩慢となった。同時にM-ドで観察された僧帽弁の運動速度も減じ心拍出量の低下が示唆された。一方、冬眠動物では9.8℃で、同様の現象が見られた。今後の検討課題として、寒冷暴露初期の寒冷ふるえ(Shivering)による超音波エコーの反射位置変化し、定位置の断層画像測定できなかった点が上げられる。 非冬眠期においても、冬眠動物の心機能は低体温でも維持され、冬眠時の自発的低体温に近い、有意な寒冷耐性を有する結果が得られた。
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